労働衛生コンサルタント試験 2020年 労働衛生一般 問08

振動障害防止対策




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合格

 このページは、2020年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2020年度(令和2年度) 問08 難易度 振動障害防止は2年に1度程度の出題。本年は初歩的な内容。確実に正答できなければならない。
振動障害防止対策

問08 振動障害防止対策に関する次のイ~ニの記述について、適切なものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

イ 振動工具のうち、締付工具としてバイブレーションシャー、ジグソーがある。

ロ 振動工具の周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値と1日の振動ばく露時間から日振動ばく露量A(8)を算出する。

ハ 振動工具を有する事業場においては、振動工具管理責任者を選任し、振動工具の点検・整備状況を定期的に確認し、記録する。

ニ 振動工具を使用する作業の作業開始時及び作業終了後には、手、腕、肩、腰等の運動は避ける。

(1)イ   ロ

(2)イ   ハ

(3)イ   ニ

(4)ロ   ハ

(5)ハ   ニ

正答(4)

【解説】

本問は、平成21年7月10日基発0710第2号「チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針」(以下、本問の解説において「指針」と略す。)からの出題である。

イ 適切ではない。指針別紙1(※1)に示されているように、バイブレーションシャー及びジグソーは、「往復動工具」(※2)に分類されており、「締付工具」ではない。英語の「シャー」や「ソー」の意味からも締め付けではなく、切断だと分かるだろう。なお、「締付工具」としては、インパクトレンチがある。

※1 これに関して、「振動工具の種類、具体的な工具及び用途」を参照して頂きたい。

※2 電動モーター等の回転運動をクランク機構等により往復運動に変えて、刃物等を往復運動(振動)させ、切断等を行う工具。

ロ 適切である。指針の3の(2)により、振動工具の周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値と1日の振動ばく露時聞から日振動ばく露量 A8 を算出する。

【チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針】

 振動作業の作業時間の管理

(2)使用する振動工具の「周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値」を、振動工具への表示、取扱説明書、製造者等のホームページ等により把握し、当該値及び1日当たりの振動ばく露時間から、次式、別紙2の表等により日振動ばく露量 A8 を求め、次の措置を講ずること。

 日振動ばく露量 A8=a×T8m/s2

( a[m/s2]は周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値、T[時間]は1日の振動ばく露時間 )

ア~ウ (略)

ハ 適切である。指針の7の(2)により、振動工具を有する事業場においては 、振動工具管理責任者を選任し、振動工具の点検・整備状況を定期的に確認し、記録する。

【チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針】

 点検・整備

(2)振動工具を有する事業場については「振動工具管理責任者」を選任し、振動工具の点検・整備状況を定期的に確認するとともに、その状況を記録すること。

ニ 適切ではない。指針の11により、作業開始時及び作業終了後に手、腕、肩、腰等の運動を主体とした体操を行うべきである。また、体操は、作業中も随時行うことが望ましい。。

【チェーンソー以外の振動工具の取扱い業務に係る振動障害予防対策指針】

11 体操の実施

  作業開始時及び作業終了後に手、腕、肩、腰等の運動を主体とした体操を行うこと。なお、体操は、作業中も随時行うことが望ましいこと。

2020年11月25日執筆