労働衛生コンサルタント試験 2019年 労働衛生関係法令 問05

電離放射線障害防止規則




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合格

 このページは、2019年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年度(令和元年度) 問05 難易度 条文問題であるが、かなり基本的なことを問うている。確実に正答したい問題である。
電離放射線障害防止規則

問5 電離放射線障害を防止するため事業者が講ずべき措置に関する次のイ~ニの記述について、電離放射線障害防止規則上、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

イ 放射線業務従事者の受ける等価線量が、皮膚に受けるものについては1年間につき500ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

ロ 透過写真撮影用ガンマ線照射装置については、原則として、3か月以内ごとに1回、定期に、放射線源のホルダーの固定装置の異常の有無など所定の事項について自主検査を行わなければならない。

ハ 放射性物質取扱作業室内の天井、床、壁、設備等を1か月を超えない期間ごとに検査し、これらの物が所定の限度を超えて汚染されていると認められるときは、その限度以下になるまで汚染を除去しなければならない。

ニ 放射性物質が多量にもれ、こぼれ、又は逸散した場合などの事故が発生したときは、その事故によって受ける実効線量が 25 ミリシーベルトを超えるおそれがない区域を除き、直ちに、労働者を退避させなければならない。

(1)イ   ロ

(2)イ   ハ

(3)イ   ニ

(4)ロ   ハ

(5)ハ   ニ

正答(2)

【解説】

以下により、(2)が正答となる。

イ 正しい。電離則第5条により正しい。条文のままである。

【電離放射線障害防止規則】

第5条 事業者は、放射線業務従事者の受ける等価線量が、眼の水晶体に受けるものについては5年間につき100ミリシーベルト及び1年間につき150ミリシーベルトを、皮膚に受けるものについては1年間につき500ミリシーベルトを、それぞれ超えないようにしなければならない。

※ 電離則第5条は出題当時の条文は以下のようになっていた。現在は、上記のように改正されているが、眼の水晶体に関するものなので、本肢の正誤に影響はない。

第5条 事業者は、放射線業務従事者の受ける等価線量が、眼の水晶体に受けるものについては1年間につき150ミリシーベルト、皮膚に受けるものについては1年間につき500ミリシーベルトを、それぞれ超えないようにしなければならない。

ロ 誤り。電離則第18条の5第1項により、1か月に1回所定の事項について自主検査を行わなければならない。3か月ではなく1か月。

【電離放射線障害防止規則】

(定期自主検査)

第18条の5 事業者は、透過写真撮影用ガンマ線照射装置については、1月以内ごとに1回、定期に、次に掲げる事項について自主検査を行わなければならない。ただし、1月を超える期間使用しない当該装置の当該使用しない期間においては、この限りでない。

 (略)

 放射線源のホルダーの固定装置の異常の有無

三及び四 (略)

 (略)

ハ 正しい。電離則第29条による。

【電離放射線障害防止規則】

(放射性物質取扱作業室内の汚染検査等)

第29条 事業者は、放射性物質取扱作業室内の天井、床、壁、設備等を1月を超えない期間ごとに検査し、これらの物が別表第三に掲げる限度を超えて汚染されていると認められるときは、その限度以下になるまで汚染を除去しなければならない。

 (略)

ニ 誤り 電離則第42条第1項。25mSvではなく15mSv。

【電離放射線障害防止規則】

(退避)

第42条 事業者は、次の各号のいずれかに該当する事故が発生したときは、その事故によつて受ける実効線量が15ミリシーベルトを超えるおそれのある区域から、直ちに、労働者を退避させなければならない。

一及び二 (略)

 放射性物質が多量にもれ、こぼれ、又は逸散した場合

四及び五 (略)

2及び3 (略)

2019年11月29日執筆 2024年11月10日法令改正に対応