問23 厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」に基づく重量物取扱い作業に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)人力による重量物取扱い作業では、荷物の重量制限のみを行うのではなく、取扱い回数、作業時間、作業人数等を考慮する必要がある。
(2)満18歳以上の女子労働者が人力のみにより取り扱う重量は、体重のおおむね24%以下とする。
(3)複数人での重量物の取り扱いは、適切な作業姿勢にて身長差ではなく体重差の少ない作業者により行う。
(4)荷物の持上げや運搬では、吸盤や手カギなどの補助具を活用したり、持ち手を付けたりして持ちやすくする。
(5)取り扱う物の重量は、できるだけ荷物に明示し、また重心が著しく偏っている場合にはそのことも明示する。
このページは、2019年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2019年度(令和元年度) | 問23 | 難易度 | 腰痛予防は近年の労働災害防止の重要課題である。確実に正答したい問題である。 |
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腰痛予防対策指針 | 2 |
問23 厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」に基づく重量物取扱い作業に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)人力による重量物取扱い作業では、荷物の重量制限のみを行うのではなく、取扱い回数、作業時間、作業人数等を考慮する必要がある。
(2)満18歳以上の女子労働者が人力のみにより取り扱う重量は、体重のおおむね24%以下とする。
(3)複数人での重量物の取り扱いは、適切な作業姿勢にて身長差ではなく体重差の少ない作業者により行う。
(4)荷物の持上げや運搬では、吸盤や手カギなどの補助具を活用したり、持ち手を付けたりして持ちやすくする。
(5)取り扱う物の重量は、できるだけ荷物に明示し、また重心が著しく偏っている場合にはそのことも明示する。
正答(3)
【解説】
本問は問題文に示されているように、厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針及び解説」についての設問であるが、すべて同指針の「別紙 作業態様別の対策」の「Ⅰ 重量物取扱い作業」から出題されている。
(1)正しい。指針「作業態様別の対策」Ⅰの冒頭に「事業者は、単に重量制限のみを厳守させるのではなく、取 扱い回数等の作業密度を考慮し、適切な作業時間、人員配置等に留意しつつ、次の対策を講ずること」
とされている。
(2)正しい。指針「作業態様別の対策」Ⅰの2(2)に「満 18 歳以上の男子労働者が人力のみにより取り扱う物の重量は、体重のおおむね 40%以下とな るように努めること。満18歳以上の女子労働者では、さらに男性が取り扱うことのできる重量の60% 位までとすること」とされている。
従って、男子が体重の40%で女子がその60%なので、女子は24%(0.4×0.6=0.24)となる。
(3)誤り。「職場における腰痛予防対策指針の解説」に「複数人で一つの物を持つ場合は、同様の体格の者同士を組ませ、不自然な姿勢をとらせないようにし、対象物の重心位置を考慮して各自が保持する箇所を決める」とある。
(4)正しい。指針「作業態様別の対策」Ⅰの3(4)に「荷物の持上げや運搬等では、手カギ、吸盤等の補助具の活用を図り、持ちやすくすること」
とされている。
(5)正しい。指針「作業態様別の対策」Ⅰの3(2)及び(3)に、「取り扱う物の重量は、できるだけ明示すること」
、「著しく重心の偏っている荷物は、その旨を明示すること」
と明記されている。