労働衛生コンサルタント試験 2019年 労働衛生一般 問20

作業姿勢の健康影響




問題文
トップ
合格

 このページは、2019年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2019年度(令和元年度) 問20 難易度 かなり難問の部類に入る問題かもしれない。
作業姿勢と健康影響

問20 作業姿勢に関する次のイ~ニの記述について、適切なものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

イ 長時間にわたる不良な作業姿勢は、労働者に頸肩腕症、腰痛症、眼精疲労、近視、脊柱わん曲などを引き起こすことがある。

ロ 作業姿勢の改善は、労働者の筋骨格系障害や労働災害などを防ぐだけでなく、作業の能率の向上、及びそれに伴う精神的安定度や作業満足度などにも好影響を与える。

ハ 立ち作業の際の作業台の高さは、強い力を必要とする作業では軽い力を必要とする作業より高くする方が適切である。

ニ 椅子に腰掛ける作業の際は、座席が深く沈み込む椅子の方が適切である。

(1)イ   ロ

(2)イ   ハ

(3)ロ   ハ

(4)ロ   ニ

(5)ハ   ニ

正答(1)

【解説】

本問のハ及びロは、厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針及び解説」からの出題であろう。ロは特に問題となるような内容は含まれていない。

以下により(1)が正答となる。

イ 正しい。長時間の不良な作業姿勢は、頸肩腕症、腰痛症、眼精疲労(情報処理作業)、近視の原因となることは特に問題はないであろう。脊柱わん曲については、争いがあるが、機能性側弯症が長時間にわたる不良な姿勢によることは通説と言ってよいだろう。

ロ 正しい。これは解説するまでもないであろう。

ハ 誤り。「職場における腰痛予防対策指針及び解説」に「作業台の高さは、緻密な作業では高め、力を要する作業では低めが適切となる」とある。

ニ 誤り。「職場における腰痛予防対策指針及び解説」には「椅子と大腿下部との間には、手指が押し入る程度のゆとりがあり、大腿部に無理な圧力が加わらないようにする」とある。

  1. (1):日本整形外科学会「小児の脊柱側弯症」に分かりやすく解説されている。
2019年12月08日執筆