問09 職場における熱中症対策に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)仕事における身体作業強度(代謝率レベル)が高くなるほど適用すべきWBGT基準値は高くなる。
(2)職場における暑熱環境を評価する場合には、気温、湿度及び赤外線によるふく射熱の3つの要素を考慮して総合的に評価する必要があり、WBGTはこの3要素を総合したものとなっている。
(3)常時使用する労働者に対して定期に行われる一般健康診断では熱中症を引き起こす要因を見いだすことはなかなか難しいため、熱中症のリスクを予測するためには、一般健康診断結果は参考にならない。
(4)屋外作業などで発生するこむら返りは軽度の熱中症であり、大量に汗をかいたりしたときにはその予防のために水分のみを補給することが重要となる。
(5)暑熱順化とは熱ストレスにさらされることへの慣れのことをいい、7日以上かけて熱へのばく露時間を次第に長くすることが必要であり、順化するまでは適用すべきWBGT基準値は低くなる。
このページは、2019年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。
柳川に著作権があることにご留意ください。
2019年度(令和元年度) | 問09 | 難易度 | 熱中症対策の実務が分かっていれば正答できる問題である。過去問に同種問題があったか。 |
---|---|---|---|
熱中症対策 | 3 |
問09 職場における熱中症対策に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
(1)仕事における身体作業強度(代謝率レベル)が高くなるほど適用すべきWBGT基準値は高くなる。
(2)職場における暑熱環境を評価する場合には、気温、湿度及び赤外線によるふく射熱の3つの要素を考慮して総合的に評価する必要があり、WBGTはこの3要素を総合したものとなっている。
(3)常時使用する労働者に対して定期に行われる一般健康診断では熱中症を引き起こす要因を見いだすことはなかなか難しいため、熱中症のリスクを予測するためには、一般健康診断結果は参考にならない。
(4)屋外作業などで発生するこむら返りは軽度の熱中症であり、大量に汗をかいたりしたときにはその予防のために水分のみを補給することが重要となる。
(5)暑熱順化とは熱ストレスにさらされることへの慣れのことをいい、7日以上かけて熱へのばく露時間を次第に長くすることが必要であり、順化するまでは適用すべきWBGT基準値は低くなる。
正答(5)
【解説】
(1)誤り。身体作業強度が高ければ、より低いWBGT値でも熱中症のリスクが発生する。勘違いに注意すべき問題である。
(2)誤り。職場における暑熱環境を評価する場合には、気温、湿度、風速及び赤外線によるふく射熱の4つの要素を考慮して総合的に評価する必要があり、WBGTはこの4要素を総合した(風速は湿球温度計によって間接的に評価している)ものとなっている。本肢は「風速」が抜けている。
(3)誤り。熱中症を予防するためには、健康診断結果などに基づく就業場所の変更等の対策も重要となる。
(4)誤り。こむら返りになったときや、大量に汗をかいたりしたときに、水分のみを補給することは、低ナトリウム症となるリスクがある。
(5)正しい。暑熱順化とは熱ストレスにさらされることへの慣れのことをいい、7日以上かけて熱へのばく露時間を次第に長くすることが必要であり、順化するまでは適用すべきWBGT基準値は低くなる。