労働衛生コンサルタント試験 2019年 労働衛生一般 問08

騒音対策防止のためのガイドライン




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合格

 このページは、2019年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年度(令和元年度) 問08 難易度 正直に言って引っ掛け問題としか思えない。適切な問題なのかという気はする。
騒音対策

問08 騒音対策に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)防音カバーを取り付けて遮音する。

(2)吸音ダクトを取り付けて消音する。

(3)防振ゴムを取り付けて騒音の発生を抑える。

(4)防音塀により音の指向性を変える。

(5)騒音源の位置を変えて距離減衰を図る。

正答(4)

【解説】

厚生労働省の、「騒音障害防止のためのガイドライン」「騒音障害防止のためのガイドラインの改訂について」(令和5年4月20日基発0420第2号))の「騒音障害防止のためのガイドラインの解説」の「表1 代表的な騒音対策の方法」に代表的な騒音対策が記載されている。

※ なお、出題当時は「騒音障害防止のためのガイドラインの策定について」(平成4年10月1日基発第546号)(※)が有効であった。その「騒音障害防止のためのガイドラインの解説」表1にもほぼ同様な記述がある。その後、2021年度に「騒音障害防止のためのガイドライン見直し検討会」が開催され、2022年3月22日に「騒音障害防止のためのガイドライン見直し方針」が作成されて本文の通達により改訂されているが、結論は変わらない。

(1)適切である。表1に、遮音の具体例として防音カバーが示されている。

(2)適切である。表1に、消音の具体例として吸音ダクトが示されている。

(3)適切である。表1に、騒音発生源対策の具体例として防振ゴムが示されている。

(4)適切ではない。表1には、音の指向性を変えることの具体例として防音塀は示されていない。防音塀は遮蔽効果の具体例として示されている。

要するに、防音塀の目的は音を遮蔽することであって、音の指向性を変えることではないということらしい。しかし、手前側と側方に防音塀を設けて反対側を開けておけば、音の指向性は反対側に向くのではなかろうか。確かにガイドラインに書いてあるからということではあろうが、適切な問題だろうかという疑問がしないでもない。

(5)適切である。表1に、距離減衰の具体例として配置の変更(騒音源の位置を変えること)が示されている。

2019年12月02日執筆 2023年06月03日最終改訂