問02 我が国の労働衛生統計等に関する次のイ~二の記述について、正しいもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。
イ 厚生労働省の平成29年「定期健康診断結果調」によると、有所見率が最も高い健康診断項目は血中脂質検査で、約30%である。
ロ 厚生労働省の平成29年「特殊健康診断結果調」によると、法定の特殊健康診断(じん肺健康診断を除く。)の有所見率は約15%である。
ハ 厚生労働省の平成29年「業務上疾病調」によると、休業4日以上の業務上疾病者数は約7800人で、このうち災害性腰痛が約30%である。
ニ 労働災害による死亡者数は年々減少傾向にあるが、平成27年以降は約1500人である。
(1)イ
(2)イ ロ
(3)ロ ニ
(4)ハ ニ
(5)ハ
このページは、2019年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2019年度(令和元年度) | 問02 | 難易度 | やや詳細な内容を問うているが、労働衛生統計は基本である。確実に正答したい問題である。 |
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労働衛生統計 | 3 |
問02 我が国の労働衛生統計等に関する次のイ~二の記述について、正しいもののみを全て挙げたものは(1)~(5)のうちどれか。
イ 厚生労働省の平成29年「定期健康診断結果調」によると、有所見率が最も高い健康診断項目は血中脂質検査で、約30%である。
ロ 厚生労働省の平成29年「特殊健康診断結果調」によると、法定の特殊健康診断(じん肺健康診断を除く。)の有所見率は約15%である。
ハ 厚生労働省の平成29年「業務上疾病調」によると、休業4日以上の業務上疾病者数は約7800人で、このうち災害性腰痛が約30%である。
ニ 労働災害による死亡者数は年々減少傾向にあるが、平成27年以降は約1500人である。
(1)イ
(2)イ ロ
(3)ロ ニ
(4)ハ ニ
(5)ハ
正答(1)
【解説】
労働衛生統計については、本サイトの「最新の労働衛生の統計情報」の他、本問に関する具体的な数値は「表で見る労働災害の発生と労働衛生の状況」も参照されたい。
イ 正しい。厚生労働省の平成29年「定期健康診断実施結果報告」によると、有所見率が最も高い健康診断項目は血中脂質検査で、32%である。
ロ 誤り。平成29年「特殊健康診断実施状況」によると、法定の特殊健康診断(じん肺健康診断を除く。)の有所見率は約5.8%である(リンクは2018年の統計)。
ハ 誤り。平成29年「業務上疾病発生状況等調査」によると、休業4日以上の業務上疾病者数は7,844人で、このうち災害性腰痛が5,051人で約64.4%である(リンク先には最新版のデータがアップされている)(※)。
※ グラフでは令和2年(2020年)以降の新型コロナへの感染は除いている。新型コロナへの感染を含めたグラフは「労働衛生(産業保健)最新統計」を参照して頂きたい。
ニ 誤り。労働災害による死亡者数は年々減少傾向にあるが、2015年以降は1,000人を下回っている(※)。当サイトの「グラフで見る労働災害発生件数の推移」を参照して頂きたい。
※ グラフでは令和2年(2020年)以降の新型コロナへの感染は除いている。新型コロナへの感染を含めたグラフは「労働衛生(産業保健)最新統計」を参照して頂きたい。
労働災害の発生件数は労働衛生コンサルタント試験でも知っておかなければならない。なお、死亡災害は増減はあるもののこの間も減少傾向がみられるが、休業4日以上の災害はむしろ増加している。増加の原因は「墜落・転落」「転倒」「無理な動作・動作の反動」が増加していることによるもので、高齢化が一因である。