労働衛生コンサルタント試験 2019年 労働衛生一般 問01

労働衛生の3管理(作業環境管理)




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合格

 このページは、2019年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2019年度(令和元年度) 問01 難易度 かなり基本的な問題である。迷うようなものもない。確実に正答しなければならない問題である。
労働衛生の3管理

問01 労働衛生の管理対策に関する次のイ~ホの記述について、労働衛生の三管理のうちの作業環境管理に該当するものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

イ 有機溶剤業務を行う作業場所に設置した局所排気装置のフード付近の気流の風速を測定する。

ロ ずい道建設工事の掘削作業において、土石又は岩石を湿潤な状態に保つための設備を設ける。

ハ 振動工具の取扱い業務において、その振動工具の周波数補正振動加速度実効値の3軸合成値に応じた振動ばく露時間の制限を行う。

ニ 鉛健康診断の結果、鉛業務に従事することが健康の保持のために適当でないと医師が認めた労働者を配置転換する。

ホ 放射線業務を行う作業場において、線量当量率について、放射線測定器を用いて定期的に作業環境測定を行う。

(1)イ   ロ   ハ

(2)イ   ロ   ホ

(3)イ   ハ   ニ

(4)ロ   ニ   ホ

(5)ハ   ニ   ホ

正答(2)

【解説】

ここ数年、労働衛生管理の手法を具体的に挙げて、作業環境管理と作業管理のいずれに該当するかを問う出題がされている。今年は、それ程、迷うような肢は出されていない。

受験テクニックとして、作業者が現場にいなくても実施可能なものは作業環境管理に分類し、作業者が作業現場にいなければ実施できないものは作業管理に分類する。さらに、作業者の身体にかかわることで作業者が現場を離れていても実施できるものを健康管理に分類することで、ほぼ正答できる。

この方法では、迷うようなものとして、次のものがある。ただ、いずれも教科書的には作業管理だが、作業環境管理で活用できないこともない。

① 個人ばく露測定 作業管理

② 生物学的モニタリング 作業管理

イ 作業環境管理となる。作業者がいなくても、局所排気装置のフード付近の気流の風速を測定することは可能である。

ロ 作業環境管理となる。作業者がいなくても、ずい道建設工事の掘削作業において、土石文は岩石を湿潤な状曜に保つための設備を設けることはできるだろう。

ハ 作業管理となる。作業時間は、作業者が現場にいて管理できるものである。作業者がいない状態で振動ばく露時間の制限を行うことなどできるわけもない。

ニ 健康管理となる。健康診断は作業者の身体にかかわることで、鉛業務に従事することが健康の保持のために適当でないと医師が認めた労働者を配置転換することは、作業者が現場にいなくても行うことができるだろう。

ホ 作業環境管理となる。本問で迷うとすればこれだが、本肢の「線量当量率」とは、その場所における単位時間あたりの測定放射線量の値である。場所の値を放射線測定器を用いて測定しているので、作業環境管理となる。なお、「個人線量当量」を測定するなら作業管理である。

2019年12月01日執筆