問6 事務所の衛生基準について事業者が講ずべき措置に関する次のイ~ニの記述について、事務所衛生基準規則上、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
イ 事業者は、労働者を常時就業させる室においては、換気が十分に行なわれる性能を有する設備を設けたときを除き、窓その他の開口部の直接外気に向って開放することができる部分の面積が、常時床面積の 30 分の1以上になるようにしなければならない。
ロ 事務室の環境管理のための気流の測定は、0.2 メートル毎秒以上の気流を測定することができる風速計又はこれと同等以上の性能を有する測定器を使用して行うものとする。
ハ 空気調和設備を設けている場合は、冷却塔、冷却水の水管及び加湿装置の清掃を、それぞれ1年以内ごとに1回、定期に、行わなければならない。
ニ 感光材料の取扱い等特殊な作業を行なう室を除き、労働者を付随的な事務作業に常時就業させる室の作業面の照度を 100 ルクス以上としなければならない。
(1)イ ロ
(2)イ ハ
(3)イ ニ
(4)ロ ハ
(5)ハ ニ
※ 本問は、出題後に法令が改正されたことから、改正分に合わせて問題文を修正している。
このページは、2018年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2018年度(平成30年度) | 問06 | 難易度 | 条文問題であるが、かなり基本的なことを問うている。確実に正答したい問題である。 |
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事務所の衛生基準 | 2 |
問6 事務所の衛生基準について事業者が講ずべき措置に関する次のイ~ニの記述について、事務所衛生基準規則上、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
イ 事業者は、労働者を常時就業させる室においては、換気が十分に行なわれる性能を有する設備を設けたときを除き、窓その他の開口部の直接外気に向って開放することができる部分の面積が、常時床面積の 30 分の1以上になるようにしなければならない。
ロ 事務室の環境管理のための気流の測定は、0.2 メートル毎秒以上の気流を測定することができる風速計又はこれと同等以上の性能を有する測定器を使用して行うものとする。
ハ 空気調和設備を設けている場合は、冷却塔、冷却水の水管及び加湿装置の清掃を、それぞれ1年以内ごとに1回、定期に、行わなければならない。
ニ 感光材料の取扱い等特殊な作業を行なう室を除き、労働者を付随的な事務作業に常時就業させる室の作業面の照度を 100 ルクス以上としなければならない。
(1)イ ロ
(2)イ ハ
(3)イ ニ
(4)ロ ハ
(5)ハ ニ
※ 本問は、出題後に法令が改正されたことから、改正分に合わせて問題文を修正している。
正答(4)
【解説】
以下により、(4)が正答となる。
イ 誤り。事務所則第3条第1項により誤り(30分の1ではなく20分の1)
【事務所衛生基準規則】
(換気)
第3条 事業者は、室においては、窓その他の開口部の直接外気に向って開放することができる部分の面積が、常時床面積の20分の1以上になるようにしなければならない。ただし、換気が十分に行なわれる性能を有する設備を設けたときは、この限りでない。
2 (略)
ロ 正しい。事務所則第8条により正しい
【事務所衛生基準規則】
(測定方法)
第8条 この章(第7条を除く。)に規定する次の表の上欄に掲げる事項についての測定は、同表の下欄に掲げる測定器又はこれと同等以上の性能を有する測定器を使用して行うものとする。
事項 | 測定器 |
---|---|
(略) | (略) |
気流 | 0.2メートル毎秒以上の気流を測定することができる風速計 |
(略) | (略) |
備考 一及び二(略) |
ハ 正しい。事務所則第9条の2第5号により正しい(2号と3号は、点検した結果の必要な清掃の話である)
【事務所衛生基準規則】
第9条の2 事業者は、空気調和設備を設けている場合は、病原体によって室の内部の空気が汚染されることを防止するため、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
一 (略)
二 冷却塔及び冷却水について、当該冷却の使用開始時及び使用を開始した後、1月以内ごとに1回、定期に、その汚れの状況を点検し、必要に応じ、その清掃及び換水等を行うこと。ただし、1月を超える期間使用しない冷却塔に係る当該使用しない期間においては、この限りではない。
三 加湿装置について、当該加湿装置の使用開始時及び使用を開始した後、1月以内ごとに1回、定期に、その汚れの状況を点検し、必要に応じ、その清掃等を行うこと。ただし、1月を超える期間使用しない加湿装置に係る当該使用しない期間においては、この限りではない。
四 (略)
五 冷却塔、冷却水の水管及び加湿装置の清掃を、それぞれ1年以内ごとに1回、定期に、行うこと。
ニ 誤り。事務所則第 10 条第1項により、労働者を粗な作業に常時就業させる室の作業面の照度は 150 ルクス以上としなければならない。
なお、本問出題当時の本肢は「感光材料の取扱い等特殊な作業を行なう室を除き、労働者を粗な作業に常時就業させる室の作業面の照度を 50 ルクス以上としなければならない」とされていた。当時の事務所則第 10 条第1項は、労働者を粗な作業に常時就業させる室の作業面の照度は 70 ルクス以上にしなければならないこととされていたため誤りの肢であった。
本条が本問出題後の 2022 年 12 月1日より改正されたため、問題文を修正したものである。実務においては、本条よりもJIS Z 9110:2011照明基準総則の表9などを参考にして明るさを決めることが重要である。
【事務所衛生基準規則】
(気積)
第2条 事業者は、労働者を常時就業させる室(以下「室」という。)(以下略)
(照度等)
第10条 事業者は、室の作業面の照度を、次の表の上欄に掲げる作業の区分に応じて、同表の下欄に掲げる基準に適合させなければならない。ただし、感光材料の取扱い等特殊な作業を行なう室については、この限りでない。
作業の区分 | 基準 |
---|---|
一般的な事務作業 | 三百ルクス以上 |
付随的な事務作業 | 百五十ルクス以上 |
2及び3 (略)
※ 事務所則第 10 条は、本問出題当時は以下のようになっていた。2022年12月1日施行の改正により現在は上記のようになっている。
(照度等)
第10条 事業者は、室の作業面の照度を、次の表の上欄に掲げる作業の区分に応じて、同表の下欄に掲げる基準に適合させなければならない。ただし、感光材料の取扱い等特殊な作業を行なう室については、この限りでない。
作業の区分 | 基準 |
---|---|
精密な作業 | 三百ルクス以上 |
普通の作業 | 百五十ルクス以上 |
粗な作業 | 七十ルクス以上 |
2及び3 (略)