労働衛生コンサルタント試験 2018年 労働衛生一般 問19

作業環境測定の測定結果の評価




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合格

 このページは、2018年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2018年度(平成30年度) 問19 難易度 本問は作業環境測定の基本である。正答できなければならない問題である。
作業環境測定結果の評価

問19 有害物質の作業環境測定において、A測定及びB測定を実施した場合における測定結果の評価に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)A測定の結果が第1評価値<管理濃度で、B測定の結果が管理濃度≦B測定値≦管理濃度×1.5 のときは、第2管理区分である。

(2)A測定の結果が第2評価値≦管理濃度≦第1評価値で、B測定の結果がB測定値<管理濃度のときは、第1管理区分である。

(3)A測定の結果が管理濃度<第2評価値で、B測定の結果が管理濃度≦B測定値≦管理濃度×1.5 のときは、第3管理区分である。

(4)A測定の結果が第2評価値≦管理濃度≦第1評価値で、B測定の結果が管理濃度≦B測定値≦管理濃度×1.5 のときは、第2管理区分である。

(5)A測定の結果が第1評価値<管理濃度で、B測定の結果がB測定値<管理濃度のときは、第1管理区分である。

正答(2)

【解説】

作業環境測定の結果は、作業環境評価基準(昭和63年9月1日労働省告示第七十九号)によって次のように定めることとされている。ここで、A測定による評価とB測定による評価が異なる場合は、悪い方を採用する。

【A測定】

管理区分 評価値と測定対象物に係る別表に掲げる管理濃度との比較の結果
第一管理区分 第一評価値が管理濃度に満たない場合
第二管理区分 第一評価値が管理濃度以上であり、かつ、第二評価値が管理濃度以下である場合
第三管理区分 第二評価値が管理濃度を超える場合

【B測定】

管理区分 評価値又はB測定の測定値と測定対象物に係る別表に掲げる管理濃度との比較の結果
第一管理区分 第一評価値及びB測定の測定値(二以上の測定点においてB測定を実施した場合には、そのうちの最大値。以下同じ。)が管理濃度に満たない場合
第二管理区分 第二評価値が管理濃度以下であり、かつ、B測定の測定値が管理濃度の一・五倍以下である場合(第一管理区分に該当する場合を除く。)
第三管理区分 第二評価値が管理濃度を超える場合又はB測定の測定値が管理濃度の一・五倍を超える場合

【総合判定】

A測定 X<A2 ①第3管理区分 ④第3管理区分 ⑦第3管理区分
A2≦X≦A1 ②第2管理区分 ⑤第2管理区分 ⑧第3管理区分
A1<X ③第1管理区分 ⑥第2管理区分 ⑨第3管理区分
A1:第1評価値、A2:第2評価値
B:B測定結果、X:管理濃度
B<X X≦B≦1.5X 1.5X<B
B測定

(1)正しい。上図(総合判定)の⑥になる。

(2)誤り。上図(総合判定)の②になるので、第2管理区分となる。

(3)正しい。上図(総合判定)の④になる。

(4)正しい。上図(総合判定)の⑤になる。

(5)正しい。上図(総合判定)の③になる。

2019年12月01日執筆 2020年01月19日修正