労働衛生コンサルタント試験 2018年 労働衛生一般 問16

化学物質による主な症状又は健康障害




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合格

 このページは、2018年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2018年度(平成30年度) 問16 難易度 個々の化学物質による症状と健康障害は、毎年の頻出事項である。確実に正答しておきたいところ。
化学物質による健康障害

問16 化学物質とそれによる主な症状又は健康障害との次の組合せのうち、誤っているものはどれか。

(1) 四塩化炭素  ・・・  肝障害
(2) 1-ブロモプロパン  ・・・  末梢神経障害
(3) 2-ブロモプロパン  ・・・  生殖機能障害
(4) N,N-ジメチルアセトアミド  ・・・  骨障害
(5) トルエン  ・・・  中枢神経系抑制

正答(4)

【解説】

(1)正しい。四塩化炭素は、職業ばく露による慢性影響として肝硬変を起こす可能性が報告されている。また、急性中毒の事例で、肝臓障害がみられている。

(2)正しい。我が国で1-ブロモプロパンを洗浄剤として使用していた労働者が小脳失調と末梢神経障害を示した例が報告されている。

(3)正しい。日本産業衛生学会は、2-ブロモプロパンの生殖毒性を第1群としているが、これは2-ブロモプロパンがフッ化炭素樹脂の溶剤として使用された電子部品工場の女性労働者25名中16名に月経停止,男性労働者8名中6名に精子数減少ないし無精子症が認められるなど、複数の報告によっている。従って本肢は正しい。

(4)誤り。職場のあんぜんサイトのモデルSDSにおいても、N,N-ジメチルアセトアミドが骨障害をもたらすという記述はない。

(5)正しい。これは解説するまでもないであろう。

2019年12月01日執筆 2020年01月18日修正