労働衛生コンサルタント試験 2018年 労働衛生一般 問12

職場復帰支援の手引き




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合格

 このページは、2018年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2018年度(平成30年度) 問12 難易度 職場復帰支援の手引きに関する知識問題である。覚えていないと正答できない問題である。
職場復帰支援の手引き

問12 厚生労働省の「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」による職場復帰支援の流れの5つのステップに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)第1ステップは、病気休業開始及び休業中のケアの段階であり、「事業場外資源によるケア」が主体である。

(2)第2ステップは、「労働者からの職場復帰の意思表示と職場復帰可能の判断が記された診断書の提出」、「産業医等による精査」などから構成される。

(3)第3ステップは、職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成の段階である。

(4)第4ステップは、「就業上の配慮等に関する意見書の作成」、「事業者による最終的な職場復帰の決定」などから構成される。

(5)第5ステップは、「職場復帰支援プランの実施状況の確認」、「職場復帰支援プランの評価と見直し」などから構成される職場復帰後のフォローアップの段階である。

正答(1)

【解説】

本問は、問題文にもあるように「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」に関する知識問題である。

ただ、手引きは職場復帰支援を5つのステップに分けて解説しているが、この5つのステップが金科玉条のように重要とはしていない。各職場で、異なるステップに分類する方法を実施することをよくないとしているわけではないのである。ここを誤解してはならないだろう。

(1)誤り。第1ステップは、病気休業開始及び休業中のケアの段階であることは正しいが、「管理監督者によるケア及び事業場内産業保健スタッフ等によるケア」その他から構成されるものである。そもそもこの手引きは、事業者のためのものであり、「事業場外資源によるケア」が主体となることなどあり得ないことである。従って、本肢は誤っている。

(2)正しい。第2ステップは、「労働者からの職場復帰の意思表示と職場復帰可能の判断が記された診断書の提出」、「産業医等による精査」及び「主治医への情報提供」から構成される。

(3)正しい。本肢の通りである。

(4)正しい。第4ステップは、「労働者の状態の最終確認」、「就業上の配慮等に関する意見書の作成」、「事業者による最終的な職場復帰の決定」及び「その他」で構成される。

(5)正しい。第5ステップは、職場復帰後のフォローアップの段階であり、「疾患の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無の確認」、「勤務状況及び業務遂行能力の評価」、「職場復帰支援プランの実施状況の確認」、「治療状況の確認」、「職場復帰支援プランの評価と見直し」、「職場環境等の改善等」及び「管理監督者、同僚等への配慮等」で構成される。

2019年12月01日執筆 2020年01月18日修正