労働衛生コンサルタント試験 2018年 労働衛生一般 問09

高齢者の視覚の性質とVDT作業環境対策




問題文
トップ
合格

 このページは、2018年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2018年度(平成30年度) 問09 難易度 やや高度な知識問題であるが、現場で考えることで正答に達することが可能。確実に正答したい問題である。
高齢者の視覚とVDT作業

問09 高齢者の視覚の性質や高齢者に配慮すべきVDT作業環境に関する次のイ~ニの記述について、正しいものの組合せは(1)~(5)のどれか。

イ 高齢者は、若年者よりもグレアを感じやすい。

ロ 高齢者は、若年者よりも焦点を合わせる速さ(調節緊張速度)が速い。

ハ 高齢者に対しては、若年者よりも作業照度を高くする方がよい。

ニ 高齢者に対しては、若年者よりも文字と背景のコントラストを低くする方がよい。

(1)イ   ロ

(2)イ   ハ

(3)ロ   ハ

(4)ロ   ニ

(5)ハ   ニ

正答(2)

【解説】

以下により(2)が正答となる。

イ 正しい。高齢者は、一般に目の水晶体が濁ってくるため、視野内に輝度の高い光源があると、その光が眼球内で散乱する傾向がある。高齢になるほどその散乱が大きくなり不快に感じるようになる。

ロ 誤り。一般には、加齢により調節緊張時間は遅くなる。従って、本肢は誤っているものと思われる。

ただし、中高年者の場合は調節力が落ちているために近点と遠点の差がなく、むしろ調節時間が短縮している場合もあり、やや疑問があるが、ハは一般的には正しいとされているので、これは誤りとしておく。

ハ 正しい。一般に、加齢に伴い、網膜に到達する光の量は減少していくため、高齢者の作業には若年者よりも高い照度が必要となるとされている。従って本肢は正しい

ニ 誤り。あり得ないことである。高齢者になるとVDTの文字と背景のコントラストが低くなると、若者に比して読みにくくなる。

2019年12月01日執筆 2020年01月18日修正