労働衛生コンサルタント試験 2017年 労働衛生一般 問23

人間工学的観点からみた作業場等の設計




問題文
トップ
合格

 このページは、2017年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

 他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

2017年度(平成29年度) 問23 難易度 エルゴノミクスに関するやや詳細な内容の知識問題である。難問といえるかもしれない。
人間工学

問23 作業場などの設計に関する次の記述のうち、人間工学的観点からみて適切でないものはどれか。

(1)作業場内の人専用通路の幅を最も大柄な作業者にもゆとりがあるように決めた。

(2)照明を効率的に利用するために、壁や天井には明るく光沢のある素材を使用した。

(3)システムが正常に動作しているときには、計器盤の複数のメーターの針が同方向を指すように設計した。

(4)見やすさを考え、最も重要な情報を表示する計器類をオペレーターの目の高さから30度程度下方の制御パネル上に配置した。

(5)中高年者が使う作業台を、若年者に適した明るさよりも明るくなるよう照らした。

正答(2)

【解説】

(1)適切である。人間工学的観点からは、通路の幅は2人がすれ違うようにできることが望ましく、「大柄な作業者にもゆとりがあるように決めた」というのはやや疑問もあるが、適切でないとまでは言い切れない。

なお、作業場の通路については安衛則第540条に規定があるが、幅についての定めはない。機械間の通路については同第543条に80センチ以上としなければならない旨の定めがある。また、オフィスの場合は建築基準法施行令第119条により、廊下の両側に部屋がある場合は有効幅1.6m以上、片側のみの場合は有効幅1.2m以上を確保することが必要である。

(2)適切ではない。人間工学的には、目の高さより上方の壁や天井は、照明効果を良くするため明るい色にするべきだが、目の高さより低い位置の壁面は、まぶしさを防ぐために濁色にすることが望ましいとされている。実際に、工場や病院などで壁面が上下2色に塗り分けられているところをよく見かける。従って、本肢は誤りであり、正答となる。

(3)適切である。複数のメーターの針が同じ方向を向いていれば確認しやすいので、人間工学的に正しい措置だといえよう。

(4)適切である。人間工学的には、やや目の高さよりも低い位置にあるものは見やすいとされており、適切でないとは言えない。

(5)適切である。照明学会編「あたらしい明視論」(1966年)によれば、加齢とともに視力が低下する。このため、中高年者は若者よりも、明るさが必要であり、本肢は適切でないとは言えない。

2019年12月01日執筆 2020年03月20日修正