労働衛生コンサルタント試験 2017年 労働衛生一般 問22

安全データシート(SDS)




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合格

 このページは、2017年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2017年度(平成29年度) 問22 難易度 SDSに関するごく基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
SDS

問22 安全データシート(SDS)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)SDSは、化学品の危険有害性、適切な取扱い方法などに関する情報を供給者側から受け取り側の事業者に伝達するためのものである。

(2)SDSの記載事項には当該化学物質に適用される法令に関する事項が含まれている。

(3)SDSの記載事項には流出その他の事故が発生した場合の応急措置に関する事項が含まれている。

(4)SDSの記載事項である危険性又は有害性の要約は、混合物の場合には個々の物質ごとに記載するのが原則である。

(5)SDSには化学物質を譲渡又は提供する者の氏名、住所及び電話番号を記さなければならない。

正答(4)

【解説】

(1)正しい。当然のことである。

(2)正しい。JIS Z7253:2019はSDSに記載するべき16の項目を定めているが、その15番目の項目は「適用法令」である。ただし、すべての適用法令が記されているとは限らないことに、実務においては留意しなければならない。

(3)正しい。SDSには、化学品に従業員等がばく露した時などの応急時に取るべき措置の内容を記載する項目がある。

(4)誤り。この点につき、一部に誤解があるようだが、SDSの記載事項である危険性又は有害性の要約は、混合物の場合には混合物の情報を記載するのが原則である。

なお、安衛法では、平成18年10月20日基安化発第1020001号(改正:平成22年12月16日)「労働安全衛生法等の一部を改正する法律等の施行等(化学物質等に係る表示及び文書交付制度の改善関係)に係る留意事項について」のⅡの第1の8の(2)により、「混合物において、混合物全体として有害性の分類がなされていない場合には、含有する表示対象物質の純物質としての有害性を、物質ごとに記載することで差し支えない」こととされている。

(5)正しい。SDSには安衛則第33条(第1号)により、化学物質を譲渡又は提供する者の「氏名(法人にあつては、その名称)、住所及び電話番号」を記さなければならない。本肢は誤っているとはいえない。

なお、本肢は譲渡又は提供する者の「氏名」のみが挙げられており、「氏名(法人にあつては、その名称)」となっていないが、(4)が明らかに間違いなので、(5)は正しいということのようだ。

2019年12月01日執筆 2020年03月20日修正