問17 作業環境測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)気温及び湿度の測定に0.5度目盛りのアスマン通風乾湿計を用いた。
(2)ふく射熱の測定に0.5度目盛りの黒球寒暖計を用いた。
(3)気温、湿度及びふく射熱を単位作業場所の中央部の床上100cmの位置で測定した。
(4)騒音測定を、等価騒音レベルが測定できる騒音計を用い、周波数補正回路をA特性に設定して行った。
(5)A測定における等価騒音レベルの測定時間は、1測定点につき10分間以上の継続した時間とした。
このページは、2017年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2017年度(平成29年度) | 問17 | 難易度 | 作業環境測定に関する高度な知識問題である。作業環境測定士以外にはかなりの難問だろう。 |
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作業環境測定 | 5 |
問17 作業環境測定に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)気温及び湿度の測定に0.5度目盛りのアスマン通風乾湿計を用いた。
(2)ふく射熱の測定に0.5度目盛りの黒球寒暖計を用いた。
(3)気温、湿度及びふく射熱を単位作業場所の中央部の床上100cmの位置で測定した。
(4)騒音測定を、等価騒音レベルが測定できる騒音計を用い、周波数補正回路をA特性に設定して行った。
(5)A測定における等価騒音レベルの測定時間は、1測定点につき10分間以上の継続した時間とした。
正答(3)
【解説】
昭和51年4月22日労働省告示第46号(最終改正平成30年4月20日厚生労働省告示第213)「作業環境測定基準」の第3条及び第4条に関する問題である。やや詳細な知識を問うているといえよう。
【作業環境測定基準】
(気温、湿度等の測定)
第3条 令第二十一条第二号の屋内作業場(労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)第五百八十七条各号に掲げる屋内作業場に限る。)における気温、湿度及びふく射熱の測定は、次に定めるところによらなければならない。
一 測定点(ふく射熱を測定するための測定点を除く。)は、単位作業場所について、当該単位作業場所の中央部の床上五十センチメートル以上百五十センチメートル以下の位置に、一以上とすること。
二 ふく射熱の測定のための測定点は、熱源ごとに、作業場所で熱源に最も近い位置とすること。
三 測定は、次の表の上欄に掲げる区分に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げる測定機器又はこれと同等以上の性能を有する測定機器を用いて行うこと。
区分 | 測定機器 |
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気温及び湿度 | 〇・五度目盛のアスマン通風乾湿計 |
ふく射熱 | 〇・五度目盛の黒球寒暖計 |
(騒音の測定)
第4条 令第二十一条第三号の屋内作業場(労働安全衛生規則第五百八十八条各号に掲げる屋内作業場に限る。)における等価騒音レベルの測定は、次に定めるところによらなければならない。
一 測定点は、単位作業場所の床面上に六メートル以下の等間隔で引いた縦の線と横の線との交点の床上百二十センチメートル以上百五十センチメートル以下の位置(設備等があって測定が著しく困難な場所を除く。)とすること。ただし、単位作業場所における騒音レベルがほぼ均一であることが明らかなときは、測定点に係る交点は、当該単位作業場所の床面上に六メートルを超える等間隔で引いた縦の線と横の線との交点とすることができる。
二 前号の規定にかかわらず、同号の規定により測定点が五に満たないこととなる場合にあっても、測定点は、単位作業場所について五以上とすること。ただし、単位作業場所が著しく狭い場合であって、当該単位作業場所における騒音レベルがほぼ均一であることが明らかなときは、この限りでない。
三 音源に近接する場所において作業が行われる単位作業場所にあっては、前二号に定める測定のほか、当該作業が行われる時間のうち、騒音レベルが最も大きくなると思われる時間に、当該作業が行われる位置において測定を行うこと。
四 測定は、次に定めるところによること。
イ 測定に用いる機器(以下「騒音計」という。)は、等価騒音レベルを測定できるものであること。
ロ 騒音計の周波数補正回路のA特性で行うこと。
五 一の測定点における等価騒音レベルの測定時間は、十分間以上の継続した時間とすること。
(1)正しい。作業環境測定基準第3条第3号中の表に、気温及び湿度の測定には0.5度目盛りのアスマン通風乾湿計を用いることとされている。
(2)正しい。(1)の解説に示した表に、ふく射熱の測定には0.5度目盛りの黒球寒暖計を用いることとされている。
(3)誤り。作業環境測定基準第3条第1号カッコ書きに「ふく射熱を測定するための測定点を除く」とされていることからわかるように、ふく射熱を測定するための測定点は第1号(中央部の床上50cm以上150cm以下)ではなく、第2号(熱源ごとに、作業場所で熱源に最も近い位置)によらねばならない。
気温や湿度の場合、室内の場所によってそれほど大きな変化はないだろうから、作業場の中央で作業者の体躯の高さで測定することが合理的だろう。しかし、ふく射熱の場合、熱源の近くでの作業が問題となるので、部屋の中央で測定してみてもあまり意味はない。作業場所で熱源に最も近い位置で測定する方が合理的だろう。
(4)正しい。作業環境測定基準第4条第4号の要件を満たしている。
(5)正しい。作業環境測定基準第4条第5号の要件を満たしている。