問9 労働安全衛生規則に定める衛生基準に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)事業者は、労働者を常時就業させる屋内作業場の気積を、設備の占める容積及び床面から4メートルを超える高さにある空間を除き、労働者1人について、10立方メートル以上としなければならない。
(2)事業者は、労働者を常時就業させる場所の照明設備について、1年以内ごとに1回、定期に、点検しなければならない。
(3)事業者は、持続的立業に従事する労働者が就業中しばしばすわることのできる機会のあるときは、当該労働者が利用することのできるいすを備えなければならない。
(4)事業者は、常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者が臥床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。
(5)事業者は、炭酸ガス濃度が1.5パーセントを超える場所には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。
このページは、2016年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2016年度(平成28年度) | 問09 | 難易度 | 安衛則に定める衛生基準に関するやや細かな知識問題である。確実に正答しておきたい問題である。 |
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安衛則に定める衛生基準 | 5 |
問9 労働安全衛生規則に定める衛生基準に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
(1)事業者は、労働者を常時就業させる屋内作業場の気積を、設備の占める容積及び床面から4メートルを超える高さにある空間を除き、労働者1人について、10立方メートル以上としなければならない。
(2)事業者は、労働者を常時就業させる場所の照明設備について、1年以内ごとに1回、定期に、点検しなければならない。
(3)事業者は、持続的立業に従事する労働者が就業中しばしばすわることのできる機会のあるときは、当該労働者が利用することのできるいすを備えなければならない。
(4)事業者は、常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者が臥床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。
(5)事業者は、炭酸ガス濃度が1.5パーセントを超える場所には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。
正答(2)
【解説】
(1)正しい。安衛則第600条は「事業者は、労働者を常時就業させる屋内作業場の気積を、設備の占める容積及び床面から4メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者一人について、10立方メートル以上としなければならない」としている。
【労働安全衛生規則】
(気積)
第600条 事業者は、労働者を常時就業させる屋内作業場の気積を、設備の占める容積及び床面から四メートルをこえる高さにある空間を除き、労働者一人について、十立方メートル以上としなければならない。
(2)誤り。安衛則第605条第2項は、「事業者は、労働者を常時就業させる場所の照明設備について、6月以内ごとに一回、定期に、点検しなければならない」としている。従って1年以内ごとに1回とする本肢は誤っている。
照明設備の信頼性の低かった時代に作られた条文である。当時、1年に1回の点検では、間隔が長すぎたのであろう。現時点では、やや時代遅れとなっているかもしれない。
【労働安全衛生規則】
(採光及び照明)
第605条 (略)
2 事業者は、労働者を常時就業させる場所の照明設備について、六月以内ごとに一回、定期に、点検しなければならない。
(3)正しい。安衛則第615条は、「事業者は、持続的立業に従事する労働者が就業中しばしばすわることのできる機会のあるときは、当該労働者が利用することのできるいすを備えなければならない」としている。従って本肢は正しい。
まれにすわる暇がある程度に忙しい職場ならいすを備えなくてもよいということである。条文を知らないと、迷うかもしれないが、この条文ができた当時は、めったに使わないようなものを備えてもしかたがないということだったのであろう。これも、やや時代遅れの条文である。まれにでもすわる機会があるのなら、いすは備えておいた方が良い。
【労働安全衛生規則】
(立業のためのいす)
第615条 事業者は、持続的立業に従事する労働者が就業中しばしばすわることのできる機会のあるときは、当該労働者が利用することのできるいすを備えなければならない。
(4)正しい。安衛則第618条は、「事業者は、常時50人以上又は常時女性30人以上の労働者を使用するときは、労働者がが床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない」としている。
なお、女性30人のみを使用する場合に、男性用の休養室又は休養所を設ける必要がないことは当然である。休養室又は休養所を一か所だけ設けて、それを“女性用”にしておけばよい。ただし、女性30人と男性1人を使用する場合は男性用の休憩室を設けなければならない。
【労働安全衛生規則】
(休養室等)
第618条 事業者は、常時五十人以上又は常時女性三十人以上の労働者を使用するときは、労働者がが床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設けなければならない。
(5)正しい。安衛則第585条第1項は、「事業者は、次の場所には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない」とし、その第4号に「炭酸ガス濃度が1.5パーセントを超える場所」等を挙げる。
【労働安全衛生規則】
(立入禁止等)
第585条 事業者は、次の場所には、関係者以外の者が立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に表示しなければならない。
一~三 (略)
四 炭酸ガス濃度が一・五パーセントを超える場所、酸素濃度が十八パーセントに満たない場所又は硫化水素濃度が百万分の十を超える場所
五~七 (略)
2 (略)