問8 次の業務のうち、労働安全衛生法に基づく特別教育を行わなければならない業務として、誤っているものはどれか。
(1)潜水作業者への送気の調節を行うためのバルブ又はコックを操作する業務
(2)高圧室内作業に係る業務
(3)有機溶剤等を用いて行う作業に係る業務
(4)酸素欠乏危険場所における作業に係る業務
(5)ガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務
このページは、2016年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2016年度(平成28年度) | 問08 | 難易度 | 特別教育の対象となる業務に関する知識問題である。確実に正答しておきたい問題である。 |
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特別教育の対象業務 | 4 |
問8 次の業務のうち、労働安全衛生法に基づく特別教育を行わなければならない業務として、誤っているものはどれか。
(1)潜水作業者への送気の調節を行うためのバルブ又はコックを操作する業務
(2)高圧室内作業に係る業務
(3)有機溶剤等を用いて行う作業に係る業務
(4)酸素欠乏危険場所における作業に係る業務
(5)ガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務
正答(3)
【解説】
安衛法第59条第3項は「事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない」としている。
これを受けて、安衛則第36条において特別の教育を受けなければならない業務を定めている。また、詳細な規定が、各特別規則に定められている場合がある。
【労働安全衛生法】
(安全衛生教育)
第59条 (第1項及び第2項略)
3 事業者は、危険又は有害な業務で、厚生労働省令で定めるものに労働者をつかせるときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該業務に関する安全又は衛生のための特別の教育を行なわなければならない。
【労働安全衛生規則】
(特別教育を必要とする業務)
第36条 法第五十九条第三項の厚生労働省令で定める危険又は有害な業務は、次のとおりとする。
一~二十二 (略)
二十三 潜水作業者への送気の調節を行うためのバルブ又はコツクを操作する業務
二十四 (略)
二十四の二 高圧室内作業に係る業務
二十五 (略)
二十六 令別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所における作業に係る業務
二十七 (略)
二十八 エツクス線装置又はガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務
二十八の二~四十一 (略)
【高気圧作業安全衛生規則】
(特別の教育)
第11条 事業者は、次の業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、当該業務に関する特別の教育を行わなければならない。
一 (略)
二 作業室への送気の調節を行うためのバルブ又はコックを操作する業務
三~五 (略)
六 高圧室内業務
【酸素欠乏症等防止規則】
(特別の教育)
第12条 事業者は、第一種酸素欠乏危険作業に係る業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、次の科目について特別の教育を行わなければならない。
一~五 (略)
2 前項の規定は、第二種酸素欠乏危険作業に係る業務について準用する。この場合において、同項第一号中「酸素欠乏」とあるのは「酸素欠乏等」と、同項第二号及び第五号中「酸素欠乏症」とあるのは「酸素欠乏症等」と読み替えるものとする。
【電離放射線障害防止規則】
(透過写真撮影業務に係る特別の教育)
第52条の5 事業者は、エックス線装置又はガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務に労働者を就かせるときは、当該労働者に対し、次の科目について、特別の教育を行わなければならない。
一~四 (略)
(1)正しい。安衛則第36条(第二十三号)
(2)正しい。安衛則第36条(第二十四号の二)
(3)誤り。このような規定はない。受験テクニックとしては、有機溶剤又は特定化学物質関係では特別教育はないと考えてよい。
(4)正しい。安衛則第36条(第二十六号)。なお、酸欠則第12条第1項は第一種酸素欠乏危険作業に係る業務について特別教育を義務付けており、第2項で第二種酸素欠乏危険作業に係る業務について特別教育を義務付けている。
一方、酸素欠乏危険場所とは、第一種酸素欠乏危険作業及び第二種酸素欠乏危険作業である(酸欠則第2条第7号参照)。そして、酸素欠乏危険作業とは、本肢にいう「酸素欠乏危険場所」における作業である(同条第6号)。
(5)正しい。安衛則第36条(第二十八号)