労働衛生コンサルタント試験 2016年 労働衛生関係法令 問04

高気圧作業安全衛生規則




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合格

 このページは、2016年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2016年度(平成28年度) 問04 難易度 高圧則に関するやや高度な知識問題である。確実に正答できるようにしておきたい。
高気圧作業安全衛生規則

問4 高気圧障害などを防止するため事業者が講ずべき措置に関する次のイ~ニの記述のうち、高気圧作業安全衛生規則上、正しいもののみの組合せは(1)~(5)のうちどれか。

イ 労働者を作業室において高圧室内業務に従事させるときは、作業室の気積を、現に当該作業室において高圧室内業務に従事している労働者1人について、3立方メートル以上としなければならない。

ロ 高圧室内作業については、高圧室内作業主任者技能講習を修了した者のうちから、作業室ごとに、高圧室内作業主任者を選任しなければならない。

ハ 空気圧縮機により潜水作業者に送気する場合において、圧力調整器を使用させないときは、潜水作業者ごとに、その水深の圧力下における送気量を、毎分60 リットル以上としなければならない。

ニ 潜水作業者にゲージ圧力1メガパスカル以上の気体を充てんしたボンベからの給気を受けさせるときは、2段以上の減圧方式による圧力調整器を潜水作業者に使用させなければならない。

(1)イ  ロ

(2)イ  ハ

(3)イ  ニ

(4)ロ  ハ

(5)ハ  ニ

正答(5)

【解説】

以下により(5)が正答となる。

イ 誤り。高気圧作業安全衛生規則(以下、本問の解説において「高圧則」という。)第2条からの出題である。同条には、「事業者は、労働者を作業室において高圧室内業務に従事させるときは、作業室の気積を、現に当該作業室において高圧室内業務に従事している労働者一人について、4立方メートル以上としなければならない」とされている。

【高気圧作業安全衛生規則】

(作業室の気積)

第2条 事業者は、労働者を作業室において高圧室内業務に従事させるときは、作業室の気積を、現に当該作業室において高圧室内業務に従事している労働者一人について、四立方メートル以上としなければならない。

ロ 誤り。高圧則第10条には、「事業者は、令第六条第一号の高圧室内作業については、高圧室内作業主任者免許を受けた者のうちから、作業室ごとに、高圧室内作業主任者を選任しなければならない」とある。「技能講習」としているところが誤りである。

【高気圧作業安全衛生規則】

(作業主任者)

第10条 事業者は、令第六条第一号の高圧室内作業については、高圧室内作業主任者免許を受けた者のうちから、作業室ごとに、高圧室内作業主任者を選任しなければならない。

 (略)

ハ 正しい。高圧則第28条第1項には、「事業者は、空気圧縮機又は手押ポンプにより潜水作業者に送気するときは、潜水作業者ごとに、その水深の圧力下における送気量を、毎分60リットル以上としなければならない」とある。なお、第2項においては、潜水作業者に圧力調整器を使用させる場合の例外規定を設けているが、本肢は「圧力調整器を使用させないとき」としているので、第2項の適用はない。

【高気圧作業安全衛生規則】

(送気量及び送気圧)

第28条 事業者は、空気圧縮機又は手押ポンプにより潜水作業者に送気するときは、潜水作業者ごとに、その水深の圧力下における送気量を、毎分六十リツトル以上としなければならない。

 前項の規定にかかわらず、事業者は、潜水作業者に圧力調整器を使用させる場合には、潜水作業者ごとに、その水深の圧力下において毎分四十リツトル以上の送気を行うことができる空気圧縮機を使用し、かつ、送気圧をその水深の圧力に〇・七メガパスカルを加えた値以上としなければならない。

ニ 正しい。高圧則第30条には、「事業者は、潜水作業者に圧力1MPa以上の気体を充てんしたボンベからの給気を受けさせるときは、二段以上の減圧方式による圧力調整器を潜水作業者に使用させなければならない」とある。

【高気圧作業安全衛生規則】

(圧力調整器)

第30条 事業者は、潜水作業者に圧力一メガパスカル以上の気体を充てんしたボンベからの給気を受けさせるときは、二段以上の減圧方式による圧力調整器を潜水作業者に使用させなければならない。

2017年11月03日執筆 2020年04月12日修正