労働衛生コンサルタント試験 2016年 労働衛生一般 問26

安全衛生教育推進要綱




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 このページは、2016年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2016年度(平成28年度) 問26 難易度 安全衛生教育推進要綱に関するやや高度な知識問題。毎年、出題されており、確実に正答したい。
安全衛生教育推進要綱

問26 厚生労働省の「安全衛生教育推進要綱」に関する次の記述のうち、当該要綱に定められていないものはどれか。

(1)総括安全衛生管理者は、教育の対象者である。

(2)機械設備の設計・製造を担当する者に対しては、高齢者の心身機能等に配慮すべき事項を含めた教育を実施する。

(3)就業予定の実業高校生に対する教育を実施する。

(4)海外派遣労働者については、派遣後直ちに現地での職域及び生活環境における安全衛生事情を付与するための教育を実施する。

(5)実施計画の作成、実施結果の記録・保存等の教育に関する業務の実施責任者を選任する。

正答(4)

【解説】

厚生労働省の安全衛生教育推進要綱(以下、本問の解説において「要綱」という。)は、平成28年10月12日基発1012第1号「安全衛生教育及び研修の推進について」により改正されている。この問題は、改正された要綱に基づいたものである。

(1)定められている。要綱は教育の対象者を「2.教育等の対象者」の項で定めているが、2の(3)の[2]に総括安全衛生管理者を定めている。事業場のトップであっても、安全衛生教育は必要であろう。

(2)定められている。要綱の「5.教育等の推進に当たって留意すべき事項」の(4)において、「機械設備の設計・製造を担当する者に対しては、高齢者の心身機能等に配慮すべき事項を含めた教育等を実施する」とされている。

(3)定められている。要綱の「3.教育等の種類、実施時期及び内容」の項で、「法定教育以外の教育等で事業者が 実施すべきもの」として、18の教育を定めるが、その(18)に「就業予定の実業高校生に対する教育等」が挙げられている。

なお、この「就業予定の実業高校生に対する教育等」は、以前から定められており、今回の通達で新たに定められたわけではない。

(4)定められていない。要綱の「5.教育等の推進に当たって留意すべき事項」の(1)において、「海外派遣労働者については、海外生活での安全衛生を確保するため派遣元の企業において当該労働者の派遣前に現地での職域及び生活環境における安全衛生事情に関する知識を付与することが重要であり、そのための教育等の推進を図る」とされている。「現地での職域及び生活環境における安全衛生事情を付与するための教育」は派遣前に行うこととされており、「派遣後直ちに」行うとは定められていない。

(5)定められている。要綱の「4.教育等の実施体制」の「(3)実施責任者の選任」の項において、「実施計画の作成、実施、実施結果の記録・保存等教育等に関する業務の実施責任者を選任する」とされている。

2019年12月01日執筆 2020年04月19日修正