労働衛生コンサルタント試験 2016年 労働衛生一般 問10

有害物とその尿中のばく露指標




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合格

 このページは、2016年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2016年度(平成28年度) 問10 難易度 衛生管理者試験では定番の知識問題である。正答できるようにしておかなければならない。
尿中のばく露指標

問10 有害物とその尿中のばく露指標との次の組合せのうち、誤っているものはどれか。

有害物 尿中のばく露指標
(1) トリクロロエチレン ・・・・・・ トリクロロ酢酸
(2) クロロベンゼン ・・・・・・ 4 − クロロカテコール
(3) スチレン ・・・・・・ マンデル酸
(4) ・・・・・・ デルタアミノレブリン酸
(5) トルエン ・・・・・・ メチル馬尿酸

正答(5)

【解説】

生物学的モニタリングのばく露指標は、基本的な衛生管理者の教科書には必ず記されている。これは語呂合わせでよいから、覚えておこう。なお、クロロベンゼンは有機則によって義務付けられていないが、クロロベンゼンについて知らなくても、トルエンについて知識があれば正答できる。

次に示す表から明らかなように、(5)が誤りで、トルエンのばく露指標は尿中馬尿酸である。因みに、メチル馬尿酸はキシレンのばく露指標である。

物質名 ばく露指標(特殊健康診断の検査内容)
トルエン 尿中馬尿酸
キシレン 尿中メチル馬尿酸
スチレン 尿中マンデル酸
テトラクロルエチレン 尿中トリクロル酢酸又は総三塩化物
1.1.1-トリクロルエタン
トリクロルエチレン
N.N-ジメチルホルムアミド 尿中N-メチルホルムアミド
ノルマルヘキサン 尿中ヘキサンジオン
血液中鉛、尿中デルタアミノレブリン酸
2019年12月01日執筆 2020年04月18日修正