問14 特定化学物質を取り扱う設備で、当該特定化学物質が滞留するおそれのあるものの修理等で、これらの設備を分解する作業を行うとき、事業者が講ずべき措置に関する次の記述のうち、特定化学物質障害予防規則上、誤っているものはどれか。
(1)作業の方法及び順序を決定し、あらかじめ、これを作業に従事する労働者に周知させなければならない。
(2)特定化学物質による労働者の健康障害の予防について必要な知識を有する者のうちから指揮者を選任し、その者に当該作業を指揮させなければならない。
(3)作業を行う設備に接続している配管のバルブ、コック等及び当該設備の開口部をすべて閉止しなければならない。
(4)測定その他の方法により、作業を行う設備の内部について、特定化学物質により労働者が健康障害を受けるおそれのないことを確認しなければならない。
(5)作業に従事する労働者に不浸透性の保護衣、保護手袋、保護長靴、呼吸用保護具等必要な保護具を使用させなければならない。
このページは、2015年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
他の問題の解説をご覧になる場合は、グローバルナビの「安全衛生試験の支援」か「パンくずリスト」をご利用ください。
柳川に著作権があることにご留意ください。
2015年度(平成27年度) | 問14 | 難易度 | 特定化学物質障害予防規則に関するかなり高度な知識問題である。難問の部類だろう。 |
---|---|---|---|
特定化学物質 | 5 |
問14 特定化学物質を取り扱う設備で、当該特定化学物質が滞留するおそれのあるものの修理等で、これらの設備を分解する作業を行うとき、事業者が講ずべき措置に関する次の記述のうち、特定化学物質障害予防規則上、誤っているものはどれか。
(1)作業の方法及び順序を決定し、あらかじめ、これを作業に従事する労働者に周知させなければならない。
(2)特定化学物質による労働者の健康障害の予防について必要な知識を有する者のうちから指揮者を選任し、その者に当該作業を指揮させなければならない。
(3)作業を行う設備に接続している配管のバルブ、コック等及び当該設備の開口部をすべて閉止しなければならない。
(4)測定その他の方法により、作業を行う設備の内部について、特定化学物質により労働者が健康障害を受けるおそれのないことを確認しなければならない。
(5)作業に従事する労働者に不浸透性の保護衣、保護手袋、保護長靴、呼吸用保護具等必要な保護具を使用させなければならない。
正答(3)
【解説】
本問は、特定化学物質障害予防規則第22条第1項からの出題である。
(1)同項第1号により正しい。
(2)同項第2号により正しい。
(3)同項第3号により、作業を行う設備に接続している配管のバルブ、コック等をすべて閉止しなければならないが、同項第5号は「作業を行う設備の開口部で、特定化学物質が当該設備に流入するおそれのないものをすべて開放すること」としている。当該設備の開口部まで閉止しなければならないわけではない。本肢は誤っている。
開口部まで閉止したら換気が悪くなるばかりか、場合によっては酸欠の恐れがでてくるし、何かあっても逃げることもできなくなる。外部へ通じる開口部を閉止しなければならないわけがないだろう。
(4)同項第7号により正しい。
(5)同項第10号により正しい。
【特定化学物質障害予防規則】
(設備の改造等の作業)
第22条 事業者は、特定化学物質を製造し、取り扱い、若しくは貯蔵する設備又は特定化学物質を発生させる物を入れたタンク等で、当該特定化学物質が滞留するおそれのあるものの改造、修理、清掃等で、これらの設備を分解する作業又はこれらの設備の内部に立ち入る作業(略)第2条第八号の第二種酸素欠乏危険作業及び酸欠則第25条の2の作業に該当するものを除く。)を行うときは、次の措置を講じなければならない。
一 作業の方法及び順序を決定し、あらかじめ、これを作業に従事する労働者に周知させること。
二 特定化学物質による労働者の健康障害の予防について必要な知識を有する者のうちから指揮者を選任し、その者に当該作業を指揮させること。
三 作業を行う設備から特定化学物質を確実に排出し、かつ、当該設備に接続しているすべての配管から作業箇所に特定化学物質が流入しないようバルブ、コック等を二重に閉止し、又はバルブ、コック等を閉止するとともに閉止板等を施すこと。
四 前号により閉止したバルブ、コック等又は施した閉止板等には、施錠をし、これらを開放してはならない旨を見やすい箇所に表示し、又は監視人を置くこと。
五 作業を行う設備の開口部で、特定化学物質が当該設備に流入するおそれのないものをすべて開放すること。
六 換気装置により、作業を行う設備の内部を十分に換気すること。
七 測定その他の方法により、作業を行う設備の内部について、特定化学物質により労働者が健康障害を受けるおそれのないことを確認すること。
八 第三号により施した閉止板等を取り外す場合において、特定化学物質が流出するおそれのあるときは、あらかじめ、当該閉止板等とそれに最も近接したバルブ、コック等との間の特定化学物質の有無を確認し、必要な措置を講ずること。
九 非常の場合に、直ちに、作業を行う設備の内部の労働者を退避させるための器具その他の設備を備えること。
十 作業に従事する労働者に不浸透性の保護衣、保護手袋、保護長靴、呼吸用保護具等必要な保護具を使用させること。
2 (略)