問11 次の作業環境測定のうち、労働安全衛生法令上、作業環境測定士による測定が義務付けられているものはどれか。
(1)廃棄物の焼却施設において焼却灰を取り扱う業務を行う作業場について、6か月以内ごとに1回、定期に行う空気中のダイオキシン類の濃度の測定
(2)ガンマ線透過写真撮影の業務を行う作業場のうち管理区域に該当する部分について、1か月ごとに1回、定期に行うガンマ線の線量当量率又は線量当量の測定
(3)中央管理方式の空気調和設備を設けている建築物の室で、事務所の用に供されるものについて2か月以内ごとに1回、定期に行う一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率の測定
(4)セメントを袋詰めする作業を常時行う屋内作業場について、6か月以内ごとに1回、定期に行う空気中の粉じんの濃度の測定
(5)鋲打ち機等圧縮空気により駆動される機械又は器具を取り扱う業務を行う屋内作業場について、6か月以内ごとに1回、定期に行う等価騒音レベルの測定
このページは、2015年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2015年度(平成27年度) | 問11 | 難易度 | 作業環境測定士による測定の対象となるものに関する知識問題。確実に正答しなければならない。 |
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指定作業場 | 3 |
問11 次の作業環境測定のうち、労働安全衛生法令上、作業環境測定士による測定が義務付けられているものはどれか。
(1)廃棄物の焼却施設において焼却灰を取り扱う業務を行う作業場について、6か月以内ごとに1回、定期に行う空気中のダイオキシン類の濃度の測定
(2)ガンマ線透過写真撮影の業務を行う作業場のうち管理区域に該当する部分について、1か月ごとに1回、定期に行うガンマ線の線量当量率又は線量当量の測定
(3)中央管理方式の空気調和設備を設けている建築物の室で、事務所の用に供されるものについて2か月以内ごとに1回、定期に行う一酸化炭素及び二酸化炭素の含有率の測定
(4)セメントを袋詰めする作業を常時行う屋内作業場について、6か月以内ごとに1回、定期に行う空気中の粉じんの濃度の測定
(5)鋲打ち機等圧縮空気により駆動される機械又は器具を取り扱う業務を行う屋内作業場について、6か月以内ごとに1回、定期に行う等価騒音レベルの測定
正答(4)
【解説】
作業環境測定法第3条は、指定作業場の作業環境測定については作業環境測定士に実施させなければならないとする。指定作業場の定義は同法第2条第3号にあり、政令で定めるとする。この政令の定めは、作業環境測定法施行令第1条にある。
この、作業環境測定法施行令第1条は、指定作業場として安衛令第21条第一号等を定めており、同号には「土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場で、厚生労働省令で定めるもの」とされている。そして、この「厚生労働省令で定めるもの」は、粉じん則第25条に定められており、「常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場」とされている。では、特定粉じん作業とは何かといえば、同規則第2条第3号に「粉じん作業のうち、その粉じん発生源が特定粉じん発生源であるもの」とされている。この特定粉じん発生源は、同条第2号で「別表第2に掲げる箇所」だとしている。
そして、この別表第2の第九号に、「別表第1第九号又は第十号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、屋内の、セメント、フライアッシュ又は粉状の鉱石、炭素原料、炭素製品、アルミニウム若しくは酸化チタンを袋詰めする箇所」とある。なお、別表1には、「セメント、フライアッシュ又は粉状の鉱石、炭素原料若しくは炭素製品を乾燥し、袋詰めし、積み込み、又は積み卸す場所における作業(第三号、第三号の二、第十六号又は第十八号に掲げる作業を除く。)」とされているが、同号のカッコ書きで除かれているものは、いずれも(4)とは無関係である。
従って、(4)が正答となる。
【作業環境測定法】
(定義)
第2条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一~二 (略)
三 指定作業場 労働安全衛生法第65条第1項の作業場のうち政令で定める作業場をいう。
四 (以下略)
(作業環境測定の実施)
第3条 事業者は、労働安全衛生法第65条第1項の規定により、指定作業場について作業環境測定を行うときは、厚生労働省令で定めるところにより、その使用する作業環境測定士にこれを実施させなければならない。
2 (略)
【作業環境測定法施行令】
(指定作業場)
第1条 作業環境測定法(以下「法」という。)第2条第三号の政令で定める作業場は、次のとおりとする。
一 労働安全衛生法施行令(略)第21条第一号、第七号、第八号及び第十号に掲げる作業場
二 労働安全衛生法施行令第21条第六号に掲げる作業場のうち厚生労働省令で定める作業場
【労働安全衛生法施行令】
(作業環境測定を行うべき作業場)
第21条 法第65条第1項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。
一 土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場で、厚生労働省令で定めるもの
二~五 (略)
六 別表第二に掲げる放射線業務を行う作業場で、厚生労働省令で定めるもの
七 別表第三第一号若しくは第二号に掲げる特定化学物質を製造し、若しくは取り扱う屋内作業場(略)、石綿等を取り扱い、若しくは試験研究のため製造する屋内作業場若しくは石綿分析用試料等を製造する屋内作業場又はコークス炉上において若しくはコークス炉に接してコークス製造の作業を行う場合の当該作業場
八 別表第四第一号から第八号まで、第十号又は第十六号に掲げる鉛業務(略)を行う屋内作業場
九 (略)
十 別表第6の2に掲げる有機溶剤を製造し、又は取り扱う業務で厚生労働省令で定めるものを行う屋内作業場
【粉じん障害防止規則】
(定義等)
第2条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 (略)
二 特定粉じん発生源 別表第二に掲げる箇所をいう。
三 特定粉じん作業 粉じん作業のうち、その粉じん発生源が特定粉じん発生源であるものをいう。
2 (以下略)
(作業環境測定を行うべき屋内作業場)
第25条 令第21条第一号の厚生労働省令で定める土石、岩石、鉱物、金属又は炭素の粉じんを著しく発散する屋内作業場は、常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場とする。
別表第1 (第2条、第3条関係)
一~八 (略)
九 セメント、フライアッシュ又は粉状の鉱石、炭素原料若しくは炭素製品を乾燥し、袋詰めし、積み込み、又は積み卸す場所における作業(第三号、第三号の二、第十六号又は第十八号に掲げる作業を除く。)
十 (以下略)
別表第2 (第2条、第4条、第10条、第11条関係)
一~八 (略)
九 別表第一第九号又は第十号に掲げる作業に係る粉じん発生源のうち、屋内の、セメント、フライアッシュ又は粉状の鉱石、炭素原料、炭素製品、アルミニウム若しくは酸化チタンを袋詰めする箇所
十 (以下略)