問09 厚生労働省の「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」の健康保持増進措置を実施するスタッフに関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)事業場における健康保持増進措置を実施するスタッフは、一定の要件の下、複数の種類のスタッフを兼任することも可能である。
(2)産業医は、健康測定を実施し、その結果に基づいて個人ごとの指導票を作成する。
(3)運動実践担当者は、健康測定の結果に基づき、個々の労働者に対する具体的な運動プログラムを作成する。
(4)心理相談担当者は、健康測定の結果に基づき、メンタルヘルスケアが必要と判断された場合又は問診の際に労働者自身が希望する場合に、産業医の指示の下にメンタルヘルスケアを行う。
(5)産業栄養指導担当者は、健康測定の結果に基づき、必要に応じて栄養指導を行う。
このページは、2015年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2015年度(平成27年度) | 問09 | 難易度 | 改訂前のTHP指針に関するやや詳細な知識問題。現時点では意味のない問題である。 |
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THP指針 | 5 |
問09 厚生労働省の「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」の健康保持増進措置を実施するスタッフに関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。
(1)事業場における健康保持増進措置を実施するスタッフは、一定の要件の下、複数の種類のスタッフを兼任することも可能である。
(2)産業医は、健康測定を実施し、その結果に基づいて個人ごとの指導票を作成する。
(3)運動実践担当者は、健康測定の結果に基づき、個々の労働者に対する具体的な運動プログラムを作成する。
(4)心理相談担当者は、健康測定の結果に基づき、メンタルヘルスケアが必要と判断された場合又は問診の際に労働者自身が希望する場合に、産業医の指示の下にメンタルヘルスケアを行う。
(5)産業栄養指導担当者は、健康測定の結果に基づき、必要に応じて栄養指導を行う。
正答(3)(現時点では意味はない)
【解説】
「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(以下、本問の解説において「指針」という。)は、昭和63年に策定され、その後4度に渡って改正されている。そのうち2回はこの2015年のコンサルタント試験の終了後である。そのため本問は、現時点では意味のない内容となっている(リンクは改正後の指針)。
本問は、6種類のTHPスタッフの役割についての内容であるが、現行指針にはそもそもそのようなスタッフに関する定めがない。
THP指針に関する問題は2019年にも出題されてはいるが、ただ、今後のコンサルタント試験における重要性がそれほど高いとは思えない。あまりTHPに拘ることは学習の効率を下げるかもしれない。
(1)意味がない。改訂前指針には6種類のTHPスタッフが定められていたが、現行指針にはそもそもそのような定めがない。なお、旧指針には「これらのスタッフは、一定の要件の下、兼任することも可能である」(3の(2)のロの(ロ)に)とされており、適切な肢であった。
(2)どちらともいえない。指針4の(2)のイの(イ)に、「健康測定は、産業医等が中心となって行い、その結果に基づき各労働者の健康状態に応じた必要な指導を決定する」とされている。旧指針では「指導票」を作成することとされていたが、現行の指針には指導票の言葉はない。
(3)意味がない。現行指針には「運動実践担当者」という用語がない。なお、旧指針では、3の(2)のロの(イ)に、運動実践担当者の役割として「運動プログラムに基づき、運動指導担当者の指示のもとに個々の労働者に対 する運動実践の指導援助を行う」とされていた。「健康測定の結果に基づき、個々の労働者に対して具体的な運動プログラムを作成」するのは「運動指導担当者」の役割であり、本肢は適切ではなかった。
(4)意味がない。現行指針には「心理相談担当者」という用語がない。なお、旧指針では、指針3の(2)のロの(イ)に、心理相談担当者の役割として「健康測定の結果に基づき、メンタルヘルスケアが必要と判断された場合又は 問診の際に労働者自身が希望する場合に、産業医の指示のもとにメンタルヘル スケアを行う」とされており、正しい肢であった。
(5)意味がない。現行指針には「産業栄養指導担当者」という用語がない。なお、旧指針では、3の(2)のロの(イ)に、産業栄養指導担当者の役割として「健康測定の結果に基づき、必要に応じて栄養指導を行う」とされており、正しい肢であった。