問10 労働安全衛生法令に基づいて実施する作業環境測定の測定対象A、測定頻度B及び測定結果の記録を保存すべき期間Cの組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
A | B | C | |||
---|---|---|---|---|---|
(1) | 空気中の石綿の濃度 | 6か月以内ごとに1回 | 40年 | ||
(2) | 空気中の鉛の濃度 | 1年以内ごとに1回 | 3年 | ||
(3) | 空気中のトルエンの濃度 | 6か月以内ごとに1回 | 3年 | ||
(4) | 等価騒音レベル | 6か月以内ごとに1回 | 3年 | ||
(5) | 空気中の放射性物質の濃度 | 1か月以内ごとに1回 | 30年 |
このページは、2014年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2014年度(平成26年度) | 問10 | 難易度 | 作業環境測定の対象、頻度等に関する基本的な知識問題。基本中の基本である。正答できなければならない。 |
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作業環境測定の対象等 | 2 |
問10 労働安全衛生法令に基づいて実施する作業環境測定の測定対象A、測定頻度B及び測定結果の記録を保存すべき期間Cの組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
A | B | C | |||
---|---|---|---|---|---|
(1) | 空気中の石綿の濃度 | 6か月以内ごとに1回 | 40年 | ||
(2) | 空気中の鉛の濃度 | 1年以内ごとに1回 | 3年 | ||
(3) | 空気中のトルエンの濃度 | 6か月以内ごとに1回 | 3年 | ||
(4) | 等価騒音レベル | 6か月以内ごとに1回 | 3年 | ||
(5) | 空気中の放射性物質の濃度 | 1か月以内ごとに1回 | 30年 |
正答(5)
【解説】
特殊健康診断と作業環境測定は、6月を超えない期間ごとに1回実施するというものが多い。従って、受験テクニックとしては、それ以外のものを覚えておけばよい。また、保存期間は発がん性のあるものは30年、その他のものは3年(健診は5年)が原則である。
あとは、例外だけを覚えておけばよい。例外として覚えておくべきものは電離放射線と粉じんである。
なお、これらの測定対象は、常に測定しなければならないわけではなく、一定の場合についてのみであるが、そのことが本問の結論に影響を与えるわけではない。
(1)正しい。石綿の測定は、石綿則第36条に定められている。その実施時期は6月を超えない期間ごとに1回であり、保存期間は同項第2項により40年である。
【労働安全衛生法施行令】
(作業環境測定を行うべき作業場)
第21条 法第六十五条第一項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。
一~六 (略)
七 別表第三第一号若しくは第二号に掲げる特定化学物質を製造し、若しくは取り扱う屋内作業場(同号3の3、11の2、13の2、15、15の2、18の2から18の4まで、19の2から19の4まで、22の2から22の5まで、23の2、33の2若しくは34の2に掲げる物又は同号37に掲げる物で同号3の3、11の2、13の2、15、15の2、18の2から18の4まで、19の2から19の4まで、22の2から22の5まで、23の2、33の2若しくは34の2に係るものを製造し、又は取り扱う作業で厚生労働省令で定めるものを行うものを除く。)、石綿等を取り扱い、若しくは試験研究のため製造する屋内作業場若しくは石綿分析用試料等を製造する屋内作業場又はコークス炉上において若しくはコークス炉に接してコークス製造の作業を行う場合の当該作業場
八~十 (略)
【石綿障害予防規則】
(粉じん濃度の測定等)
第36条 事業者は、令第二十一条第七号の作業場(石綿等に係るものに限る。)について、六月以内ごとに一回、定期に、石綿の空気中における濃度を測定しなければならない。
2 事業者は、前項の規定による測定を行ったときは、その都度次の事項を記録し、これを四十年間保存しなければならない。
一~七 (略)
(2)正しい。鉛の測定は、鉛則第52条に定められている。その実施時期は1年を超えない期間ごとに1回であり、保存期間は同項第2項により3年である。
【労働安全衛生法施行令】
(作業環境測定を行うべき作業場)
第21条 法第六十五条第一項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。
一~七 (略)
八 別表第四第一号から第八号まで、第十号又は第十六号に掲げる鉛業務(遠隔操作によつて行う隔離室におけるものを除く。)を行う屋内作業場
九及び十 (略)
【鉛中毒予防規則】
(測定)
第52条 事業者は、令第二十一条第八号に掲げる屋内作業場について、一年以内ごとに一回、定期に、空気中における鉛の濃度を測定しなければならない。
2 事業者は、前項の規定による測定を行なつたときは、そのつど次の事項を記録して、これを三年間保存しなければならない。
一~七 (略)
(3)正しい。トルエンは第2種有機溶剤である。作業環境測定については有機溶剤中毒予防規則第28条に定められている。その実施時期は6月を超えない期間ごとに1回であり、保存期間は3年である。
【労働安全衛生法施行令】
(作業環境測定を行うべき作業場)
第21条 法第六十五条第一項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。
一~九 (略)
十 別表第六の二に掲げる有機溶剤を製造し、又は取り扱う業務で厚生労働省令で定めるものを行う屋内作業場
別表第6の2 有機溶剤(第六条、第二十一条、第二十二条関係)
一~三十六 (略)
三十七 トルエン
三十八~五十五 (略)
【有機溶剤中毒予防規則】
(定義等)
第1条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一~三 (略)
四 第二種有機溶剤等 有機溶剤等のうち次に掲げる物をいう。
イ 令別表第六の二第一号から第十三号まで、第十五号から第二十二号まで、第二十四号、第二十五号、第三十号、第三十四号、第三十五号、第三十七号、第三十九号から第四十二号まで又は第四十四号から第四十七号までに掲げる物
ロ (略)
ハ (略)
五及び六 (略)
2 (以下略)
(測定)
第28条 令第二十一条第十号の厚生労働省令で定める業務は、令別表第六の二第一号から第四十七号までに掲げる有機溶剤に係る有機溶剤業務のうち、第三条第一項の場合における同項の業務以外の業務とする。
2 事業者は、前項の業務を行う屋内作業場について、六月以内ごとに一回、定期に、当該有機溶剤の濃度を測定しなければならない。
3 事業者は、前項の規定により測定を行なつたときは、そのつど次の事項を記録して、これを三年間保存しなければならない
一~七 (略)
(4)正しい。等価騒音の測定は、安衛則第590条に定められている。その実施時期は6月年を超えない期間ごとに1回であり、保存期間は同項第2項により3年である。
【労働安全衛生法施行令】
(作業環境測定を行うべき作業場)
第21条 法第六十五条第一項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。
一及び二 (略)
三 著しい騒音を発する屋内作業場で、厚生労働省令で定めるもの
四~十 (略)
【労働安全衛生規則】
(騒音の測定等)
第590条 事業者は、第五百八十八条に規定する著しい騒音を発する屋内作業場について、六月以内ごとに一回、定期に、等価騒音レベルを測定しなければならない。
2 事業者は、前項の規定による測定を行つたときは、その都度、次の事項を記録して、これを三年間保存しなければならない。
一~七 (略)
(5)誤り。空気中の放射性物質の濃度の測定については、電離放射線障害防止規則第55条に「事業者は、第53条第二号から第三号までに掲げる作業場について、その空気中の放射性物質の濃度を1月以内ごとに1回、定期に、放射線測定器を用いて測定し、その都度、前条第1項各号に掲げる事項を記録して、これを5年間保存しなければならない」と定められている。保存年限が誤っている。
【労働安全衛生法施行令】
(作業環境測定を行うべき作業場)
第21条 法第六十五条第一項の政令で定める作業場は、次のとおりとする。
一~五 (略)
六 別表第二に掲げる放射線業務を行う作業場で、厚生労働省令で定めるもの
七~十 (略)
【電離放射線障害防止規則】
(放射性物質の濃度の測定)
第55条 事業者は、第五十三条第二号から第三号までに掲げる作業場について、その空気中の放射性物質の濃度を一月以内ごとに一回、定期に、放射線測定器を用いて測定し、その都度、前条第一項各号に掲げる事項を記録して、これを五年間保存しなければならない。