問9 次の有害業務に従事した者のうち、離職の際に又は 離職の後に、労働安全衛生法令に基づく健康管理手帳の交付対象となるものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
イ ベンジジン及びその塩を取り扱う業務に3か月以上従事した経験を有する者
ロ 粉じん作業に係る業務に従事していた者であって、じん肺法の規定により決定されたじん肺管理区分が管理二、管理三又は管理四であるもの
ハ エチルベンゼンを取り扱う業務に3年以上従事した経験を有する者
ニ 石綿等が使用されている耐火被覆材の張付け等の作業に伴い、石綿の粉じんが発散する場所において、当該作業に1年以上従事した経験を有し、かつ、初めて石綿等の粉じんにばく露した日から10年以上を経過している者
(1)イ、ロ
(2)イ、ハ
(3)イ、ニ
(4)ロ、ハ
(5)ロ、ニ

このページは、2014年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2014年度(平成26年度) | 問09 | 難易度 | 健康管理手帳の交付対象に関する知識問題。出題頻度は少いが確実な合格のため把握しておきたい。 |
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健康管理手帳の交付対象 | 4 |
問9 次の有害業務に従事した者のうち、離職の際に又は 離職の後に、労働安全衛生法令に基づく健康管理手帳の交付対象となるものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
イ ベンジジン及びその塩を取り扱う業務に3か月以上従事した経験を有する者
ロ 粉じん作業に係る業務に従事していた者であって、じん肺法の規定により決定されたじん肺管理区分が管理二、管理三又は管理四であるもの
ハ エチルベンゼンを取り扱う業務に3年以上従事した経験を有する者
ニ 石綿等が使用されている耐火被覆材の張付け等の作業に伴い、石綿の粉じんが発散する場所において、当該作業に1年以上従事した経験を有し、かつ、初めて石綿等の粉じんにばく露した日から10年以上を経過している者
(1)イ、ロ
(2)イ、ハ
(3)イ、ニ
(4)ロ、ハ
(5)ロ、ニ
正答(3)
【解説】
健康管理手帳を交付する業務は、安衛令第 23 条に列記されており、その要件は安衛則第 53 条第1項に示されている。
イの業務については、安衛令第 23 条第1号により対象となり、安衛則第 53 条第1項表第1号により3月以上の要件を満たすので対象となる。
ロの業務については、安衛令第 23 条第3号により対象となるが、安衛則第 53 条第1項表第2号により、管理4のものは対象とならない。管理4のものはいずれにせよじん肺法第 23 条の規定により療養(治療)の対象となるので、健康管理手帳の対象とする必要がないのである。
ハの業務については、安衛令第 23 条各号に示されておらず、健康管理手帳の対象とはならない。
ニの業務については、安衛令第 23 条第11号により対象となり、安衛則第 53 条第1項表第 10 号の二の要件を満たすので対象となる。
以上により、イとニが対象となるので(3)が正答となる。
【労働安全衛生法】
(健康管理手帳)
第67条 都道府県労働局長は、がんその他の重度の健康障害を生ずるおそれのある業務で、政令で定めるものに従事していた者のうち、厚生労働省令で定める要件に該当する者に対し、離職の際に又は離職の後に、当該業務に係る健康管理手帳を交付するものとする。ただし、現に当該業務に係る健康管理手帳を所持している者については、この限りでない。
2~4 (略)
【労働安全衛生法施行令】
(健康管理手帳を交付する業務)
第23条 法第67条第1項の政令で定める業務は、次のとおりとする。
一 ベンジジン及びその塩(これらの物をその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、又は取り扱う業務
二 ベータ―ナフチルアミン及びその塩(これらの物をその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、又は取り扱う業務
三 粉じん作業(じん肺法(昭和35年法律第30号)第2条第1項第三号に規定する粉じん作業をいう。)に係る業務
四 クロム酸及び重クロム酸並びにこれらの塩(これらの物をその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、又は取り扱う業務(これらの物を鉱石から製造する事業場以外の事業場における業務を除く。)
五 無機砒素化合物(アルシン及び砒化ガリウムを除く。)を製造する工程において粉砕をし、三酸化砒素を製造する工程において焙焼若しくは精製を行い、又は砒素をその重量の3パーセントを超えて含有する鉱石をポツト法若しくはグリナワルド法により製錬する業務
六 コークス又は製鉄用発生炉ガスを製造する業務(コークス炉上において若しくはコークス炉に接して又はガス発生炉上において行う業務に限る。)
七 ビス(クロロメチル)エーテル(これをその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、又は取り扱う業務
八 ベリリウム及びその化合物(これらの物をその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物(合金にあつては、ベリリウムをその重量の3パーセントを超えて含有するものに限る。)を含む。)を製造し、又は取り扱う業務(これらの物のうち粉状の物以外の物を取り扱う業務を除く。)
九 ベンゾトリクロリドを製造し、又は取り扱う業務(太陽光線により塩素化反応をさせることによりベンゾトリクロリドを製造する事業場における業務に限る。)
十 塩化ビニルを重合する業務又は密閉されていない遠心分離機を用いてポリ塩化ビニル(塩化ビニルの共重合体を含む。)の懸濁液から水を分離する業務
十一 石綿等の製造又は取扱いに伴い石綿の粉じんを発散する場所における業務
十二 ジアニシジン及びその塩(これらの物をその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、又は取り扱う業務
十三 一・二―ジクロロプロパン(これをその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を取り扱う業務(厚生労働省令で定める場所における印刷機その他の設備の清掃の業務に限る。)
十四 オルト―トルイジン(これをその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、又は取り扱う業務
十五 三・三′―ジクロロ―四・四′―ジアミノジフェニルメタン(これをその重量の1パーセントを超えて含有する製剤その他の物を含む。)を製造し、又は取り扱う業務
【労働安全衛生規則】
(健康管理手帳の交付)
第53条 法第67条第1項の厚生労働省令で定める要件に該当する者は、労働基準法の施行の日以降において、次の表の上欄に掲げる業務に従事し、その従事した業務に応じて、離職の際に又は離職の後に、それぞれ、同表の下欄に掲げる要件に該当する者その他厚生労働大臣が定める要件に該当する者とする。
業務 | 要件 |
---|---|
令第23条第一号、第二号又は第十二号の業務 | 当該業務に3月以上従事した経験を有すること。 |
令第23条第三号の業務 | じん肺法(昭和35年法律第30号)第13条第2項(同法第15条第3項、第16条第2項及び第16条の2第2項において準用する場合を含む。)の規定により決定されたじん肺管理区分が管理二又は管理三であること。 |
令第23条第四号の業務 | 当該業務に4年以上従事した経験を有すること。 |
令第23条第五号の業務 | 当該業務に5年以上従事した経験を有すること。 |
令第23条第六号の業務 | 当該業務に5年以上従事した経験を有すること。 |
令第23条第七号の業務 | 当該業務に3年以上従事した経験を有すること。 |
令第23条第八号の業務 | 両肺野にベリリウムによるび慢性の結節性陰影があること。 |
令第23条第九号の業務 | 当該業務に3年以上従事した経験を有すること。 |
令第23条第十号の業務 | 当該業務に4年以上従事した経験を有すること。 |
令第23条第十一号の業務(石綿等(令第6条第二十三号に規定する石綿等をいう。以下同じ。)を製造し、又は取り扱う業務に限る。) |
次のいずれかに該当すること。 一 両肺野に石綿による不整形陰影があり、又は石綿による胸膜肥厚があること。 二 石綿等の製造作業、石綿等が使用されている保温材、耐火被覆材等の張付け、補修若しくは除去の作業、石綿等の吹付けの作業又は石綿等が吹き付けられた建築物、工作物等の解体、破砕等の作業(吹き付けられた石綿等の除去の作業を含む。)に1年以上従事した経験を有し、かつ、初めて石綿等の粉じんにばく露した日から10年以上を経過していること。 三 石綿等を取り扱う作業(前号の作業を除く。)に10年以上従事した経験を有していること。 四 前二号に掲げる要件に準ずるものとして厚生労働大臣が定める要件に該当すること。 |
令第23条第十一号の業務(石綿等を製造し、又は取り扱う業務を除く。) | 両肺野に石綿による不整形陰影があり、又は石綿による胸膜肥厚があること。 |
令第23条第十三号の業務 | 当該業務に2年以上従事した経験を有すること。 |
令第23条第十四号の業務 | 当該業務に5年以上従事した経験を有すること。 |
令第23条第十五号の業務 | 当該業務に2年以上従事した経験を有すること。 |
2及び3 (略)