問8 労働安全衛生規則に基づく健康診断に関する次のイからニまでの記述について、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
イ 事業者は、定期健康診断の結果に基づき作成する健康診断個人票には、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について聴取した医師の意見を記載し、これを5年間保存しなければならない。
ロ 事業者は、深夜業を含む業務に常時従事する労働者に対しては、6か月以内ごとに1回、定期に健康診断を行わなければならないが、胸部エックス線検査については、1年以内ごとに1回、定期に行えば足りるものとされている。
ハ 定期健康診断項目のうち、既往歴及び業務歴の調査については、前回の定期健康診断の記録により医師が必要でないと認めるときは、省略することができる。
ニ 事業者は、労働者を本邦外の地域に派遣しようとする場合は、派遣期聞が1年未満のときを除き、あらかじめ、医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければならない。
(1)イ,ロ
(2)イ,ハ
(3)ロ,ハ
(4)ロ,ニ
(5)ハ,ニ
このページは、2014年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生関係法令」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2014年度(平成26年度) | 問08 | 難易度 | 安衛則に基づく健康診断に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。 |
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安衛則に基づく健康診断 | 3 |
問8 労働安全衛生規則に基づく健康診断に関する次のイからニまでの記述について、正しいものの組合せは(1)~(5)のうちどれか。
イ 事業者は、定期健康診断の結果に基づき作成する健康診断個人票には、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について聴取した医師の意見を記載し、これを5年間保存しなければならない。
ロ 事業者は、深夜業を含む業務に常時従事する労働者に対しては、6か月以内ごとに1回、定期に健康診断を行わなければならないが、胸部エックス線検査については、1年以内ごとに1回、定期に行えば足りるものとされている。
ハ 定期健康診断項目のうち、既往歴及び業務歴の調査については、前回の定期健康診断の記録により医師が必要でないと認めるときは、省略することができる。
ニ 事業者は、労働者を本邦外の地域に派遣しようとする場合は、派遣期聞が1年未満のときを除き、あらかじめ、医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければならない。
(1)イ,ロ
(2)イ,ハ
(3)ロ,ハ
(4)ロ,ニ
(5)ハ,ニ
正答(1)
【解説】
以下により(1)が正答となる。
イ 正しい。安衛則第51条により、事業者は、定期健康診断(安衛則第44条)の結果に基づき健康診断個人票を作製して、5年間保存しなければならない。
また、同規則第51条の2第1項により、個人表には、労働者の健康を保持するために必要な措置について聴取した医師の意見を記載しなければならない。
【労働安全衛生法】
(健康診断)
第66条 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断(第六十六条の十第一項に規定する検査を除く。以下この条及び次条において同じ。)を行わなければならない。
2 (以下略)
(健康診断の結果についての医師等からの意見聴取)
第66条の4 事業者は、第六十六条第一項から第四項まで若しくは第五項ただし書又は第六十六条の二の規定による健康診断の結果(当該健康診断の項目に異常の所見があると診断された労働者に係るものに限る。)に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、厚生労働省令で定めるところにより、医師又は歯科医師の意見を聴かなければならない。
【労働安全衛生規則】
(定期健康診断)
第44条 事業者は、常時使用する労働者(第四十五条第一項に規定する労働者を除く。)に対し、一年以内ごとに一回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。
一~十一 (略)
2 (以下略)
(健康診断結果の記録の作成)
第51条 事業者は、第四十三条、第四十四条若しくは第四十五条から第四十八条までの健康診断若しくは法第六十六条第四項の規定による指示を受けて行つた健康診断(同条第五項ただし書の場合において当該労働者が受けた健康診断を含む。次条において「第四十三条等の健康診断」という。)又は法第六十六条の二の自ら受けた健康診断の結果に基づき、健康診断個人票(様式第五号)を作成して、これを五年間保存しなければならない。
(健康診断結果の記録の作成)
第51条の2 第四十三条等の健康診断の結果に基づく法第六十六条の四の規定による医師又は歯科医師からの意見聴取は、次に定めるところにより行わなければならない。
一 (略)
二 聴取した医師又は歯科医師の意見を健康診断個人票に記載すること。
2 (以下略)
ロ 正しい。安衛則第45条第1項の規定により、事業者は、同規則第13条第1項第3号の業務(深夜業を含む)に常時従事する労働者に対しては、6か月以内ごとに1回、定期に健康診断を行わなければならないが、胸部エックス線検査については、1年以内ごとに1回、定期に行えば足りるものとされている。
【労働安全衛生法】
(健康診断)
第66条 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断(第六十六条の十第一項に規定する検査を除く。以下この条及び次条において同じ。)を行わなければならない。
2 (以下略)
【労働安全衛生規則】
(産業医の選任等)
第13条 (略)
一及び二 (略)
三 (略)
イ~リ (略)
ヌ 深夜業を含む業務
ル~カ (略)
四 (略)
2 (以下略)
(定期健康診断)
第44条 事業者は、常時使用する労働者(第四十五条第一項に規定する労働者を除く。)に対し、一年以内ごとに一回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。
一~三 (略)
四 胸部エックス線検査及び喀痰検査
五~十一 (略)
2 (以下略)
(特定業務従事者の健康診断)
第45条 事業者は、第十三条第一項第三号に掲げる業務に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際及び六月以内ごとに一回、定期に、第四十四条第一項各号に掲げる項目について医師による健康診断を行わなければならない。この場合において、同項第四号の項目については、一年以内ごとに一回、定期に、行えば足りるものとする。
2 (以下略)
ハ 誤り。定期健康診断項目の省略は、安衛則第44条の第2項から第4項に定められているが、第2項及び第4項は「既往歴及び業務歴の調査」とは無関係であり、第3項も「前回の定期健康診断の記録により医師が必要でないと認めるときは、省略することができる」とするものではない。
【労働安全衛生法】
(健康診断)
第66条 事業者は、労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、医師による健康診断(第六十六条の十第一項に規定する検査を除く。以下この条及び次条において同じ。)を行わなければならない。
2 (以下略)
【労働安全衛生規則】
(定期健康診断)
第44条 事業者は、常時使用する労働者(第四十五条第一項に規定する労働者を除く。)に対し、一年以内ごとに一回、定期に、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。
一 既往歴及び業務歴の調査
二~十一 (略)
2 第一項第三号、第四号、第六号から第九号まで及び第十一号に掲げる項目については、厚生労働大臣が定める基準に基づき、医師が必要でないと認めるときは、省略することができる。
3 第一項の健康診断は、前条、第四十五条の二又は法第六十六条第二項前段の健康診断を受けた者(前条ただし書に規定する書面を提出した者を含む。)については、当該健康診断の実施の日から一年間に限り、その者が受けた当該健康診断の項目に相当する項目を省略して行うことができる。
4 第一項第三号に掲げる項目(聴力の検査に限る。)は、四十五歳未満の者(三十五歳及び四十歳の者を除く。)については、同項の規定にかかわらず、医師が適当と認める聴力(千ヘルツ又は四千ヘルツの音に係る聴力を除く。)の検査をもつて代えることができる。
ニ 誤り。海外派遣労働者の健康診断は安衛則第45条の2に定められているが、「派遣期聞が1年未満のときを除き」ではなく6月未満の場合が除かれている。また、実施するべき項目は、「医師が必要であると認める項目」ではなく「安衛則第44条第1項各号の項目(定期診断の項目)及び厚生労働大臣が定める項目のうち医師が必要であると認める項目」である。
【労働安全衛生規則】
(海外派遣労働者の健康診断)
第45条の2 事業者は、労働者を本邦外の地域に六月以上派遣しようとするときは、あらかじめ、当該労働者に対し、第四十四条第一項各号に掲げる項目及び厚生労働大臣が定める項目のうち医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければならない。
2~4 (略)