労働衛生コンサルタント試験 2014年 労働衛生一般 問30

リスクアセスメント指針




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 このページは、2014年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2014年度(平成26年度) 問30 難易度 リスクアセスメント指針に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
リスクアセスメント指針

問30 厚生労働省の「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

(1)指針の「危険性又は有害性等の調査」は、ILO(国際労働機関)における「リスクアセスメント」と同じ意味で用いられている。

(2)調査等におけるリスクの見積りとリスク低減措置の検討は、安全管理者又は衛生管理者が直接行わなければならない。

(3)明らかに軽微な負傷又は疾病しかもたらさないと予想されるものについては、調査等の対象からはずすことができる。

(4)新たな機械設備を導入する際には、その機械設備のメーカーが行った調査等の結果を入手する。

(5)調査等の実施に当たっては、定常的な作業に係る資料ばかりでなく、非定常的な作業に係る資料も入手する。

正答(2)

【解説】

本問の本文にあるように、本問は厚生労働省の「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」(以下、本問の解説において「RA指針」という。)に関する設問である。

(1)正しい。平成18年3月10日基発第0310001号「危険性又は有害性等の調査等に関する指針について」の「1 趣旨等について」の(3)に「指針の『危険性又は有害性等の調査』は、ILO(国際労働機関)等において『リスクアセスメント(risk assessment)』等の用語で表現されているものであること」とされている。

(2)誤り。指針の「4 実施体制等」の(1)イに「事業場の安全管理者、衛生管理者等に調査等の実施を管理させること」とされている。安全管理者又は衛生管理者に行わせるべきは管理であって、調査等におけるリスクの見積りとリスク低減措置の検討を直接行うことではない。

(3)正しい。指針の「6 対象の選定」の(2)に「平坦な通路における歩行等、明らかに軽微な負傷又は疾病しかもたらさないと予想されるものについては、調査等の対象から除外して差し支えない」とされている。

(4)正しい。指針の「7 情報の入手」の(2)アに「新たな機械設備等を外部から導入しようとする場合には、当該機械設備等のメーカーに対し、当該設備等の設計・製造段階において調査等を実施することを求め、その結果を入手すること」とされている。

(5)正しい。指針の「7 情報の入手」の(1)に「事業者は、調査等の実施に当たり、次に掲げる資料等を入手し、その情報を活用するものとする。入手に当たっては、現場の実態を踏まえ、定常的な作業に係る資料等のみならず、非定常作業に係る資料等も含めるものとする」とされている。

2020年05月23日執筆

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