労働衛生コンサルタント試験 2014年 労働衛生一般 問24

職場における腰痛予防対策指針及び解説




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合格

 このページは、2014年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。

 解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。

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2014年度(平成26年度) 問24 難易度 腰痛予防対策指針に関する基本的な知識問題である。確実に正答できなければならない。
腰痛予防対策指針

問24 平成 25 年 6 月に改訂された厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針及び解説」に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

(1)指針改訂の理由の一つに、高齢者介護などの社会福祉施設での腰痛発生件数の大幅な増加がある。

(2)腰痛の発生要因の一つとして、職場の対人ストレス等の心理・社会的要因を挙げている。

(3)対策作りに労働安全衛生マネジメントシステムの考え方を導入することを勧めている。

(4)腰痛保護ベルトを積極的に導入するよう勧めている。

(5)作業態様別の対策作りの参考として、車両運転に関する作業のチェックリスト例が挙げられている。

正答(4)

【解説】

本問は問題文に示されているように、平成25年に改正された厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針及び解説」についての設問である

(1)適切である。平成25年6月18日基発0618第1号「職場における腰痛予防対策の推進について」によれば「社会福祉施設をはじめとする保健衛生業においては、最近の10年間で発生件数が2.7倍に増加していることから、引き続き、腰痛予防対策の推進は重要な課題である。このため、今般、福祉・医療分野における介護・看護作業、長時間の車両運転や建設機械の運転の作業等を対象に、広く職場における腰痛の予防を一層推進するため、別添のとおり当該指針を改訂した」とある。

(2)適切である。指針の「1 はじめに」で「腰痛の発生要因には、(中略)職場の対人ストレス等に代表される心理・社会的要因がある」と指摘されている。

(3)適切である。指針の「6 リスクアセスメント及び労働安全衛生マネジメントシステム」において、「、職場で腰痛を予防するには、作業管理、作業環境管理、健康管理、労働衛生教育を的確に組み合わせて総合的に推進していくことが求められる」とした上で「、事業場に労働安全衛生マネジメントシ ステムの考え方を導入することが重要となる」としている。

(4)適切ではない。指針の2(6)のハには、「腰部保護ベルトは、個人により効果が異なるため、一律に使用するのではなく、個人毎に効果を確認してから使用の適否を判断すること」とされている。

なお、腰痛予防ベルトやコルセットの腰痛予防の効果については、医学上の論争となっている。また、扱いによっては、かえって腰痛を悪化させるケースもあるといわれる。

(5)適切である。参考8として、「車両運転等の作業におけるアクション・チェックリスト(例)」が添付されている。

2020年05月23日執筆