問27 労働衛生統計等に関する次の記述のうち.適切でないものはどれか。
(1)定期健康診断における有所見率は、平成20年から平成24年にかけて、毎年50%を超えている。
(2)平成9年から平成19年にかけて5年ごとに行われた「労働者健康状況調査」では、毎回50%近い労働者が、強い不安、悩み、ストレスを感じている。
(3)労災認定された脳・心臓疾患による死亡の件数は、平成20年度から平成24年度にかけては、毎年度100件を超えている。
(4)平成24年度における精神障害等に係る労災補償の支給決定件数は475件となり、過去最高の数字となった。
(5)平成24年の全国の自殺者の数は、2万8000人を切り、15年ぶりに3万人を下回った。
このページは、2013年の労働安全衛生コンサルタント試験の「労働衛生一般」問題の解説と解答例を示しています。
解説文中の法令の名称等は、適宜、略語を用いています。また、引用している法令は、読みやすくするために漢数字を算用数字に変更するなどの修正を行い、フリガナ、傍点等は削除しました。
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2013年度(平成25年度) | 問27 | 難易度 | 労働衛生統計は必出事項であるが、出題時期によって問われる内容は変化する。効率よく学習しよう。 |
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労働衛生統計等 | 4 |
問27 労働衛生統計等に関する次の記述のうち.適切でないものはどれか。
(1)定期健康診断における有所見率は、平成20年から平成24年にかけて、毎年50%を超えている。
(2)平成9年から平成19年にかけて5年ごとに行われた「労働者健康状況調査」では、毎回50%近い労働者が、強い不安、悩み、ストレスを感じている。
(3)労災認定された脳・心臓疾患による死亡の件数は、平成20年度から平成24年度にかけては、毎年度100件を超えている。
(4)平成24年度における精神障害等に係る労災補償の支給決定件数は475件となり、過去最高の数字となった。
(5)平成24年の全国の自殺者の数は、2万8000人を切り、15年ぶりに3万人を下回った。
正答(2)
【解説】
(1)適切である。一般の定期健康診断における有所見率は、平成20年(2008年)に50%を超え、その後毎年増加している。
(2)適切ではない。労働者健康状況調査によると、平成9年から平成24年までの調査で「仕事や職業生活に関して強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合」は60%程度となっている(※)。従って、50%近いとする本肢は誤りである。具体的な数値は「表で見る労働災害の発生と労働衛生の状況」を参照されたい。
※ 労働者健康状況調査は「仕事や職業生活に関して強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者の割合」は調査しているが、たんに「強い不安、悩み、ストレスを感じている労働者」についての調査は行っていない。従って設問自体にやや疑問はある。
なお、同調査は平成24年版で廃止になっている。近年では労働安全衛生調査で、同様な調査を行っており、その結果は右図のようになっている(※)。
※ 2014年(平成26年)及び2019年(令和元年)には、他の特別な調査を行うため、労働安全衛生調査を行っていない。
こちらは、「現在の仕事や職業生活に関することで、強い不安やストレスとなっていると感じる事柄がある労働者の割合」を調べたものである。「総計」でみると、ほぼ50~60%の間で推移している。
(3)適切である。労災認定された脳・心臓疾患による死亡の件数は、平成14年度(2002年度)から平成25年度(2013年度)にかけて、毎年度100件を超えていた。
(4)適切である。平成24年度(2012年度)における精神障害等に係る労災補償の支給決定件数は475件となり、前年を大きく上回って過去最高の数字となった。
なお、その後は増減を繰り返している。
(5)適切である。全国の自殺者の数は、平成10年(1998年)に急増して3万人を超え、その後3万人以上で推移していた。しかし、平成24年(2012年)に2万8000人を切り、15年ぶりに3万人を下回った。