ボランティアと資格

一般論としてですが、震災のときに小さな重機を操作できる方がボランティアで人命救助に携わることがあるようです。

重機の操作には免許や技能講習の修了等の資格が必要だと思いますが、ボランティアの場合も資格が必要なのでしょうか。

当然必要だろうと思うのですが、根拠を調べる必要があり調べているのですが、よく分かりません。分かる方がおられたらご教示願えませんか。

user.png 疾風の中の薔薇 time.png 2024/02/21(Wed) 22:21 No.226
Re: ボランティアと資格
資格は必要です。災害時等の特例は無かったはずです。

・機体質量が3トン以上の車両系建設機械(整地、運搬、積込み用及び掘削用)の運転 (道路上の走行を除く)
業務に就かせる労働者に対し、車両系建設機械(整地・運搬・積込み用及び掘削用)運転技能講習を修了した者
でなければ業務に就かせてはならない。

・機体質量3トン未満の車両系建設機械(整地等)の運転 (道路上の走行を除く)業務に就かせる労働者に対し、
特別教育の実施が義務付けられている。(労働安全衛生法第59条第3項/令別表第7第1号または2号/
労働安全衛生規則第36条第9号/安全衛生特別教育規程第11条)

以下にNHKのネット記事があります。ご参考にしてください。

ttps://www.nhk.or.jp/ashitanavi/article/3472.html
user_com.png かね time.png 2024/02/22(Thu) 15:23 No.227
Re: ボランティアと資格
少し追加させて頂きます。

ボランティアだったとしても、重機を扱う以上、資格を有しているべきであることはいうまでもありません。

しかしながら、労働安全衛生法上の義務かというと、それは違います。
安衛法第61条は、事業者に対する義務です。

(就業制限)
第六十一条 事業者は、クレーンの運転その他の業務で、政令で定めるものについては、都道府県労働局長の当該業務に係る免許を受けた者又は都道府県労働局長の登録を受けた者が行う当該業務に係る技能講習を修了した者その他厚生労働省令で定める資格を有する者でなければ、当該業務に就かせてはならない。
2~4 (略)


すなわち、事業者はその労働者に危険を及ぼすような場所で、資格を要する業務に無資格者を従事させてはならないということです。

確かに、無資格のボランティアが、事業場内でその事業場の労働者と共に、重機で人命救助等の業務をするというのであれば、その事業場が属する事業者は、安衛法の義務違反ということになるかもしれません(疑問はあります)。
しかし、一般的な被災地で仕事をするのであれば、そもそも安衛法の義務のかかる事業者はいませんから、無資格で仕事をしても労働安全衛生法違法違反になることはあり得ません。

とはいえ、周囲のボランティアや被災者に危険を及ぼす恐れがありますので、資格を有していない限り、資格の必要なことをするべきではないでしょう。仮に、周囲のボランティアや被災者を死傷させれば、過失があるとされて民事賠償請求の対象になり得ることは確実だと思われます。
法的な価値判断において、無資格での重機を扱うことは、一般的には違法性を有する(法的な価値判断において悪いことである)ものと思われます。

もちろん、他人の身体・生命を守るために緊急に必要なことを行うのであれば、違法性が阻却されることはあり得ます。例えば、そこにキーのついた重機が置いてあり、それを使えば被災者の生命を救えるが、資格者がそこにいないというような場合ですね。
user_com.png 柳川行雄 time.png 2024/02/22(Thu) 21:02 No.228
処理 記事No 暗証キー

- JoyfulNote -