質問:有機則第35条の解釈

有機則の第35条(有機溶剤等の貯蔵)の2項に、「有機溶剤の蒸気を屋外に排出する設備」とありますが、作業場の中に置いてある小さな保管庫にも排気ダクト等を直結する必要はあるのでしょうか?分析室とかでは入口は施錠管理していて室内は換気装置が稼働していて、その中に保管庫があるような場合におけるケースです。

user.png 作業環境測定士 time.png 2023/10/14(Sat) 09:40 No.211
Re: 質問:有機則第35条の解釈
有機則は特化則とは異なり、第2条及び第3条において1日の使用料等による適用除外規定が定められています。しかし、第35条の規定は第8章に置かれているため、これらの適用除外の対象とはなりません。

従って、「貯蔵」に該当するのであれば、第35条の適用は受けることとなります。しかし、第35条には「有機溶剤の蒸気を屋外に排出する設備」とあるだけで、その要件は定められていません。

そして、昭和35年10月31日基発第929号には、これについて次のように書かれています。なお、ここにある第33条とは、現在の第35条に当たります。

ここにあるように、「有機溶剤の蒸気を屋外に排出する設備」とは「窓、排気管等をいい、必ずしも動力により排出することを要しない」とされています。

第9 第8章関係
1 概要
本章の規定は、有機溶剤業務を行なう事業についてはもとより、それ以外の有機溶剤等を販売する事業及び倉庫業等についても適用されるものであること。
2 第33条関係
(1) 有機溶剤等を貯蔵する場合に、現に有機溶剤の蒸気が発散し衛生上有害であれば、本条とともに労働安全衛生規則第179条の規定が適用されるが、有機溶剤の蒸気が発散していることが必ずしも明らかでない場合にも、本条の規定は適用されるものであること。
(2) 第1号の「設備」とは、施錠、縄による区画等をいうこと。
(3) 第2号の「設備」とは、窓、排気管等をいい、必ずしも動力により排出することを要しないこと。なお、消防法に基づく危険物の規制に関する政令第10条第12号に規定する設備は、本条第2号の規定を満たすものであること。


従って、ご質問の場合、ダクト等を設置することは望ましいものの、法律上は必ずしも設置の必要はないものと考えられます。
ただし、個別の案件に対する判断は、(文章だけでは、現実の様々な条件が分からないため)念のため専門家に相談されることをお勧めします。
user_com.png 柳川行雄 time.png 2023/10/14(Sat) 10:45 No.212
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