はじめまして。
特別教育について質問があります。
以前から安衛則36条4号により高圧・特別高圧電気、低圧電気の危険防止について
「高圧(直流750V超・交流600V超~7,000V以下)・特別高圧(7,000V超)の充電電路・その支持物の敷設などの業務。低圧(直流750V以下・交流600V以下)の充電電路(対地電圧50V以下及び感電による危害を生じるおそれのないものを除く。)の敷設、修理の業務等」が特別教育対象業務でした。
電気自動車の整備をするにあたっても感電防止のためこの教育が必要でしたが、その際配電盤や変圧器の知識は不要である上自動車固有の危険防止の知識付与も要するとのことから、電気自動車の普及に伴い、4号の2として4号の低圧電気の業務から自動車整備業務を独立させた経緯があります(令和元年10月施行)。独立させる際には、4号の低圧電気の業務に「(次号に掲げる業務を除く。)」の文言が条文上追加されています。
その後、電気自動車の普及はさらに進み、内蔵される蓄電池の電圧も、低圧の定義から外れる高い電圧(=高圧)のものも出現してきたことを受けて厚労省は4号の2の条文中「低圧の蓄電池」から、「低圧の」の文言を削除し、低圧・高圧いずれの蓄電池でも特別教育の対象から外れることのないように規則改正を行いました(令和6年10月施行)。
しかし、この規則改正では、4号の条文のうち高圧電気取扱業務について、令和元年に電気自動車を4号の2として独立させた際にあったような「(次号に掲げる業務を除く。)」は挿入されていません。
4号の2の電気自動車の整備業務で高圧の蓄電池内蔵の自動車整備を行うに当たって当該自動車整備の特別教育を受講した人が、さらに4号の高圧電気の特別教育を受講する必要性は実務上乏しいとは思われますが、条文上は低圧のように除かれておらず、高圧の場合における4号と4号の2の関係が不明確と考えられ、事業者として特別教育実施の可否の判断で困っているところです。
仮にこの場合高圧の特別教育を未実施としたときは、罰則もあり心配です。
省略してよいという通達も見当たりません。
厚労省の立法ミスなのでしょうか。
ご教示いただけると幸いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。
olsa
2026/08/10(Mon) 14:20 No.338
これについて関連の通達が、令和6年6月12日基発0612第22号「電気自動車の整備の業務等に係る特別教育に係る労働安全衛生規則等の改正について」として発出されています。
https://osh-management.com/pdf/20240612_kh0612-22.pdf
施行日までに低圧電気自動車整備の特別教育を受講した者が、施行日以降に高圧の電気自動車整備の業務に就く場合、追加の教育を受ける必要がありますが、これについては通達の4の(2)に記されています。
なお、「もとより」以降は、かななか含蓄のある表現です(私の立場ではこうとしか言えませんが・・・)。
******* 以下通達より引用 ************
(2)改正省令の施行日以後に、(1)アからウまでに該当する労働者を対地電圧が50ボルトを超える高圧の蓄電池を内蔵する自動車の整備の業務に就かせる場合には、改正告示によって教育範囲に追加される事項について、追加的に教育が実施されている必要があること。
もとより、改正告示による改正後の安全衛生特別教育規程第6条の2に規定する特別教育の科目の全部又は一部について十分な知識及び技能を有していると事業者が認める労働者については、労働安全衛生規則第37条の規定に基づき、当該科目についての特別教育を省略することができること。
******* 引用 ここまで *************
柳川行雄
2026/08/10(Mon) 23:11 No.342
これは4号の条文から明らかです。
柳川行雄
2026/08/11(Tue) 09:24 No.343
安衛則37条及び改正省令の施行通達により、4号の2の電気自動車の整備業務で高圧の蓄電池内蔵の自動車整備を行うに当たって当該自動車整備の特別教育を受講した人が、さらに4号の高圧電気の特別教育を受講する必要はないことがよく理解できました。
これで安心できます。
ご丁寧な回答をいただき大変勉強になり、ありがとうございました。
4号の2と4号の教育を重複して受講することが制度の運用上は不要であることがよく理解できました。
ここで大変に恐縮でございますが、さらにもう一点ご教示いただけないでしょうか。今度は法令の条文のことです。
「4号の条文から明らかです」とのご教示を賜ったところですが、おそれながら、以下私見を述べさせていただきます。
4号の条文の構成は、現行はこうです。
「高圧の業務、 低圧の業務(次号に掲げる業務を除く。)又は低圧の露出開閉器の操作の業務」(業務の種類を限定する修飾語は省いています。以下同じ。)
私の条文の読解力が低いのかも知れませんが、括弧書きの効力はその直前の語句だけを修飾・限定すると理解しています。
そうすると4号の条文で、「(次号(=4号の2)に掲げる業務を除く。)」は低圧の業務にしかかかっておらず、高圧の業務の部分にはかかっていないようにしかみえないのです。
電気自動車が低圧のみだった時代ではこれで何の問題もありません。
しかし、電気自動車に高圧のものが出現し、高圧の自動車整備が対象となったときには4号の2を高圧も含む業務として再定義するとともに、4号の高圧の業務からも次号(4号の2)を除くべきでしょうから、本来は2024年6月3日公布の改正省令においては、4号は、
「高圧の業務及び低圧の業務(次号に掲げる業務を除く。)並びに低圧の露出開閉器の操作の業務」
とか、
「次号に掲げる業務を除く高圧の業務及び低圧の業務並びに低圧の露出開閉器の操作の業務」
などと「業務」を修飾する次号を除く旨の括弧書きの効力が高圧と低圧の業務の双方に及ぶように省令改正すべきだったのではないでしょうか。
そうしないと、4号の低圧の業務だけに次号を除く旨の括弧書きがついていることとの整合性が取れていないように思えるのです。
olsa
2026/08/12(Wed) 10:37 No.344
「四の二 対地電圧が五十ボルトを超える低圧の蓄電池を内蔵する自動車の整備の業務」
となっていたときも、括弧書きの(次号に掲げる業務を除く。)は、文章的には、4号の高圧、特別高圧、低圧の電気工事のすべてにかかっていたのです。
ところが、その時点での4号の2は低圧の電気自動車だったので、高圧と特別高圧の電気工事からは除かれなかったわけです。
これが改正されて、
「四の二 対地電圧が五十ボルトを超える蓄電池を内蔵する自動車の整備の業務」
となったので、高圧と特別高圧からも除かれるようになったわけです。
まあ、法律家の頭の構造はこうなっているのですね。普通の感覚では分かりにくいと思います。
柳川行雄
2026/08/12(Wed) 22:36 No.345
4号の文章の構造で、括弧書きの部分は最初の高圧、特別高圧の部分にもかかっているのですね。
お陰様でもやもやが晴れました。勉強になりました。
olsa
2026/08/13(Thu) 08:35 No.346