2022年労働衛生コンサルタント試験 労働衛生関係法令 問15 投稿者:おちゃ 投稿日時:2023/08/30(Wed) 13:50 No.1351
柳川先生
お世話になっております。
2022年労働衛生コンサルタント試験 労働衛生関係法令 問15の選択肢(1)の解説について質問です。
(1)屋内作業場において、研磨材の吹き付けにより、金属を研磨する箇所には、粉じんの発散を防止するため、局所排気装置の設置若しくはプッシュプル型換気装置の設置又はこれと同等以上の措置を講じなければならない。
とありますが「研磨材の吹き付けにより、金属を研磨する箇所」については別表第1の7→別表第2の6に該当するため、第4条の表の5に該当すると思うのですが、いかがでしょうか。
解説では別表第1の7→別表第2の7→第4条の表の4と解説されており疑問に思いました。
よろしくお願いいたします。
お世話になっております。
2022年労働衛生コンサルタント試験 労働衛生関係法令 問15の選択肢(1)の解説について質問です。
(1)屋内作業場において、研磨材の吹き付けにより、金属を研磨する箇所には、粉じんの発散を防止するため、局所排気装置の設置若しくはプッシュプル型換気装置の設置又はこれと同等以上の措置を講じなければならない。
とありますが「研磨材の吹き付けにより、金属を研磨する箇所」については別表第1の7→別表第2の6に該当するため、第4条の表の5に該当すると思うのですが、いかがでしょうか。
解説では別表第1の7→別表第2の7→第4条の表の4と解説されており疑問に思いました。
よろしくお願いいたします。
Re:[1349] 令和元年(2019年)問14:労働衛生関係法令(択一式) 投稿者:リース 投稿日時:2023/08/26(Sat) 21:48 No.1350
いつも的確なご解説に深く感謝しております。
法律制定の背景や最近の法令改正についての知見を得られ、
大変有益でした。
今年10月に労働衛生コンサルタントの受験を予定しており、
必要に応じて再度掲示板を利用させていただくかもしれません。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
法律制定の背景や最近の法令改正についての知見を得られ、
大変有益でした。
今年10月に労働衛生コンサルタントの受験を予定しており、
必要に応じて再度掲示板を利用させていただくかもしれません。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
Re:[1348] 令和元年(2019年)問14:労働衛生関係法令(択一式) 投稿者:柳川行雄 投稿日時:2023/08/26(Sat) 17:40 No.1349
法令というものは、必ずしも統一的な論理で説明できるものばかりではありません。一般論として、民主国家の法令は、様ざまな利害を有する関係団体の妥協の産物としてできあがります。ときには、声の大きい勢力の主張が通ることもあります。
そうは言っても、そのときそのときで、法令を改正する事務方で「もっともらしい」理屈は立てることになります。矛盾に満ちた法令について、一見、納得できるような理屈を立てるのが、役人の腕の見せ所だったりします。
鉛則で健康診断の頻度を定めるときに、(公表したかどうかはともかく)労働省(現厚生労働省)の内部で、その理由があったことは間違いはないと思います。省令事項ですから内閣法制局の審査はないのですが省内の法令審査は受けていたはずで、理由がなければこのような条文が組織内で通ることはあり得ません。
しかし、この当時はコンピュータの利用が一般的ではなく、省令改正時の「理由」というのは、意外に記録が残っていないものなのです。新たに関係する改正を行うときまでは、まず確認する必要がなく、行政は人事異動が激しいため散逸してしまうのが実態です。従って、担当者に聞いても、まず分からないと思います。
理屈の上では「1年に一度の健康診断としている業務は、一般に有害物へのばく露量が少ないため、1年に一度の健診でも十分である」とか何とか理由を立てたのだろうとは思いますが・・・。
他に理由は立ちにくいような気がします。
なお、2023年4月から、有機溶剤、特定化学物質(特別管理物質を除く)、鉛、四アルキル鉛に関する特殊健康診断の実施頻度について、作業環境管理や暴露防止対策が適切に実施されている場合、6月以内ごとに行われる特殊健康診断を1年以内ごとに1回に緩和することができるようになっています。
> 労働衛生コンサルタント試験問題
> 労働衛生関係法令(択一式)
> 令和元年(2019年)問14に関しての質問です。
>
> 鉛取扱者の健診に関して
> 1年に一回の場合は下記業務になりますが、
>
> 下記業務(4項目)の健診について
> 半年に一回が不要になった背景は
> 何かご推測いただけますでしょうか?
>
> 下記業務(4項目)について
> 共通点を見出せなくての質問になります。
>
>
> 十七 動力を用いて印刷する工程における活字の文選、植字又は解版の業務
> リ 自然換気が不十分な場所におけるはんだ付けの業務
> ヌ 鉛化合物を含有する釉薬を用いて行なう施釉
> 又は当該施釉を行なつた物の焼成の業務
> ル 鉛化合物を含有する絵具を用いて行なう絵付け又は当該絵付けを行なつた物の焼成の業務
そうは言っても、そのときそのときで、法令を改正する事務方で「もっともらしい」理屈は立てることになります。矛盾に満ちた法令について、一見、納得できるような理屈を立てるのが、役人の腕の見せ所だったりします。
鉛則で健康診断の頻度を定めるときに、(公表したかどうかはともかく)労働省(現厚生労働省)の内部で、その理由があったことは間違いはないと思います。省令事項ですから内閣法制局の審査はないのですが省内の法令審査は受けていたはずで、理由がなければこのような条文が組織内で通ることはあり得ません。
しかし、この当時はコンピュータの利用が一般的ではなく、省令改正時の「理由」というのは、意外に記録が残っていないものなのです。新たに関係する改正を行うときまでは、まず確認する必要がなく、行政は人事異動が激しいため散逸してしまうのが実態です。従って、担当者に聞いても、まず分からないと思います。
理屈の上では「1年に一度の健康診断としている業務は、一般に有害物へのばく露量が少ないため、1年に一度の健診でも十分である」とか何とか理由を立てたのだろうとは思いますが・・・。
他に理由は立ちにくいような気がします。
なお、2023年4月から、有機溶剤、特定化学物質(特別管理物質を除く)、鉛、四アルキル鉛に関する特殊健康診断の実施頻度について、作業環境管理や暴露防止対策が適切に実施されている場合、6月以内ごとに行われる特殊健康診断を1年以内ごとに1回に緩和することができるようになっています。
> 労働衛生コンサルタント試験問題
> 労働衛生関係法令(択一式)
> 令和元年(2019年)問14に関しての質問です。
>
> 鉛取扱者の健診に関して
> 1年に一回の場合は下記業務になりますが、
>
> 下記業務(4項目)の健診について
> 半年に一回が不要になった背景は
> 何かご推測いただけますでしょうか?
>
> 下記業務(4項目)について
> 共通点を見出せなくての質問になります。
>
>
> 十七 動力を用いて印刷する工程における活字の文選、植字又は解版の業務
> リ 自然換気が不十分な場所におけるはんだ付けの業務
> ヌ 鉛化合物を含有する釉薬を用いて行なう施釉
> 又は当該施釉を行なつた物の焼成の業務
> ル 鉛化合物を含有する絵具を用いて行なう絵付け又は当該絵付けを行なつた物の焼成の業務
令和元年(2019年)問14:労働衛生関係法令(択一式) 投稿者:リース 投稿日時:2023/08/26(Sat) 12:50 No.1348
先日投稿したリースと申します。
令和元年(2019年)問10に関して
鋭いご考察いただき感謝しております。
労働衛生コンサルタント試験問題
労働衛生関係法令(択一式)
令和元年(2019年)問14に関しての質問です。
鉛取扱者の健診に関して
1年に一回の場合は下記業務になりますが、
下記業務(4項目)の健診について
半年に一回が不要になった背景は
何かご推測いただけますでしょうか?
下記業務(4項目)について
共通点を見出せなくての質問になります。
十七 動力を用いて印刷する工程における活字の文選、植字又は解版の業務
リ 自然換気が不十分な場所におけるはんだ付けの業務
ヌ 鉛化合物を含有する釉薬を用いて行なう施釉
又は当該施釉を行なつた物の焼成の業務
ル 鉛化合物を含有する絵具を用いて行なう絵付け又は当該絵付けを行なつた物の焼成の業務
令和元年(2019年)問10に関して
鋭いご考察いただき感謝しております。
労働衛生コンサルタント試験問題
労働衛生関係法令(択一式)
令和元年(2019年)問14に関しての質問です。
鉛取扱者の健診に関して
1年に一回の場合は下記業務になりますが、
下記業務(4項目)の健診について
半年に一回が不要になった背景は
何かご推測いただけますでしょうか?
下記業務(4項目)について
共通点を見出せなくての質問になります。
十七 動力を用いて印刷する工程における活字の文選、植字又は解版の業務
リ 自然換気が不十分な場所におけるはんだ付けの業務
ヌ 鉛化合物を含有する釉薬を用いて行なう施釉
又は当該施釉を行なつた物の焼成の業務
ル 鉛化合物を含有する絵具を用いて行なう絵付け又は当該絵付けを行なつた物の焼成の業務
Re:[1346] 令和元年(2019年)問10:労働衛生関係法令(択一式) 投稿者:リース 投稿日時:2023/08/21(Mon) 21:22 No.1347
柳川先生
丁寧なご回答
ありがとうございました。
非常に分かりやすく
親身な姿勢が伝わってきました。
感謝申し上げます!!
丁寧なご回答
ありがとうございました。
非常に分かりやすく
親身な姿勢が伝わってきました。
感謝申し上げます!!
Re:[1344] 令和元年(2019年)問10:労働衛生関係法令(択一式) 投稿者:柳川行雄 投稿日時:2023/08/21(Mon) 19:58 No.1346
条文上は、かなり変則的なのですが、厚生労働大臣が定める規格又は安全装置を具備すべき機械等の範囲は、安衛法第42条により次のように定められています。
「別表第二に掲げるものその他危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、政令で定めるもの」
そして、この別表第2の第9号に「九 防毒マスク」と定められています。
このうち、政令の定めが安衛令第13条第5項にあり、「法別表第二第九号に掲げる防毒マスク」には、「ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスクその他厚生労働省令で定めるもの以外の防毒マスク」を含まないと定められています。
従って、
ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスク
及び
その他厚生労働省令で定めるもの
は含まれるわけです。
ここで、「ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスクその他厚生労働省令で定めるもの」とされており、「ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスクその他の厚生労働省令で定めるもの」とはなっていないことに注目してください。
ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスクには、「厚生労働省令で定めるもの」という制限はかかっていません。
法令用語の問題なので、そういうものだと思ってください。
「蜜柑その他柑橘類で厚生労働省令で定めるもの」
といえば、蜜柑は全て該当します。
「蜜柑その他の柑橘類で厚生労働省令で定めるもの」
といえば、蜜柑のうち厚生労働省令で定めるものだけが該当します。
> はじめまして、リースと申します。
> この度、2023年7月開催の労働衛生コンサルタント講習会で
> 柳川先生のサイトをご推薦いただいての投稿です。
>
> 労働衛生コンサルタント試験問題
> 労働衛生関係法令(択一式)
> 令和元年(2019年)問10に関しての質問です。
>
> 安衛法第13条第5項において
> 厚労省大臣が定める規格を具備するべき
> 防毒マスク5種の一つ「有機ガス用防毒マスク」についてです。
>
> 有機ガスの適応範囲は
> どこの条文を見れば載ってますでしょうか?
>
> 本問題においては
> 硫化水素ガス用防毒マスクは
> 厚労省大臣が定める規格の適応外という回答には
> 納得していますが、類題が出た時に備えての問い合わせになります。
>
> また、他のご質問者から上記と同様のご質問あった場合
> 重複になりますが、その際は参照投稿をご教示いただければ幸いです。
>
> お手すきな際に、ご査収のほどよろしくお願いします。
「別表第二に掲げるものその他危険若しくは有害な作業を必要とするもの、危険な場所において使用するもの又は危険若しくは健康障害を防止するため使用するもののうち、政令で定めるもの」
そして、この別表第2の第9号に「九 防毒マスク」と定められています。
このうち、政令の定めが安衛令第13条第5項にあり、「法別表第二第九号に掲げる防毒マスク」には、「ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスクその他厚生労働省令で定めるもの以外の防毒マスク」を含まないと定められています。
従って、
ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスク
及び
その他厚生労働省令で定めるもの
は含まれるわけです。
ここで、「ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスクその他厚生労働省令で定めるもの」とされており、「ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスクその他の厚生労働省令で定めるもの」とはなっていないことに注目してください。
ハロゲンガス用又は有機ガス用防毒マスクには、「厚生労働省令で定めるもの」という制限はかかっていません。
法令用語の問題なので、そういうものだと思ってください。
「蜜柑その他柑橘類で厚生労働省令で定めるもの」
といえば、蜜柑は全て該当します。
「蜜柑その他の柑橘類で厚生労働省令で定めるもの」
といえば、蜜柑のうち厚生労働省令で定めるものだけが該当します。
> はじめまして、リースと申します。
> この度、2023年7月開催の労働衛生コンサルタント講習会で
> 柳川先生のサイトをご推薦いただいての投稿です。
>
> 労働衛生コンサルタント試験問題
> 労働衛生関係法令(択一式)
> 令和元年(2019年)問10に関しての質問です。
>
> 安衛法第13条第5項において
> 厚労省大臣が定める規格を具備するべき
> 防毒マスク5種の一つ「有機ガス用防毒マスク」についてです。
>
> 有機ガスの適応範囲は
> どこの条文を見れば載ってますでしょうか?
>
> 本問題においては
> 硫化水素ガス用防毒マスクは
> 厚労省大臣が定める規格の適応外という回答には
> 納得していますが、類題が出た時に備えての問い合わせになります。
>
> また、他のご質問者から上記と同様のご質問あった場合
> 重複になりますが、その際は参照投稿をご教示いただければ幸いです。
>
> お手すきな際に、ご査収のほどよろしくお願いします。
Re:[1330] 2019年試験:法規問12の誤植について 投稿者:栗花菊 投稿日時:2023/08/21(Mon) 17:46 No.1345
柳川先生
早速ありがとうございました。
繰り返し過去問題を解きつつ、解説も含めて何度も見直しながら、試験に臨みたいと思います。
> 栗花菊 様
>
> ご指摘、ありがとうございます。
>
> 早速修正いたしました。今まで気づきませんでした。
>
> 当サイトは、多くの方に閲覧して頂くことによってより良くなっていきます。
> このサイトのミスを指摘された方は、次の試験で合格するというジンクスがあります。
>
> 試験、頑張ってください。
>
> > さて、2019年コンサルタント試験:関係法規の問12の問題と解説に誤植があったので、御確認いただきたく投稿いたしました。
> > https://osh-management.com/consultant/health/2019/low-question12/
> >
> > この問題の(3)の問題文が、二酸化炭素が「二酷化炭素」になっていて、なおかつ解説も(3)の二行目が「二酷化炭素」になっていました。
早速ありがとうございました。
繰り返し過去問題を解きつつ、解説も含めて何度も見直しながら、試験に臨みたいと思います。
> 栗花菊 様
>
> ご指摘、ありがとうございます。
>
> 早速修正いたしました。今まで気づきませんでした。
>
> 当サイトは、多くの方に閲覧して頂くことによってより良くなっていきます。
> このサイトのミスを指摘された方は、次の試験で合格するというジンクスがあります。
>
> 試験、頑張ってください。
>
> > さて、2019年コンサルタント試験:関係法規の問12の問題と解説に誤植があったので、御確認いただきたく投稿いたしました。
> > https://osh-management.com/consultant/health/2019/low-question12/
> >
> > この問題の(3)の問題文が、二酸化炭素が「二酷化炭素」になっていて、なおかつ解説も(3)の二行目が「二酷化炭素」になっていました。
令和元年(2019年)問10:労働衛生関係法令(択一式) 投稿者:リース 投稿日時:2023/08/21(Mon) 12:50 No.1344
はじめまして、リースと申します。
この度、2023年7月開催の労働衛生コンサルタント講習会で
柳川先生のサイトをご推薦いただいての投稿です。
労働衛生コンサルタント試験問題
労働衛生関係法令(択一式)
令和元年(2019年)問10に関しての質問です。
安衛法第13条第5項において
厚労省大臣が定める規格を具備するべき
防毒マスク5種の一つ「有機ガス用防毒マスク」についてです。
有機ガスの適応範囲は
どこの条文を見れば載ってますでしょうか?
本問題においては
硫化水素ガス用防毒マスクは
厚労省大臣が定める規格の適応外という回答には
納得していますが、類題が出た時に備えての問い合わせになります。
また、他のご質問者から上記と同様のご質問あった場合
重複になりますが、その際は参照投稿をご教示いただければ幸いです。
お手すきな際に、ご査収のほどよろしくお願いします。
この度、2023年7月開催の労働衛生コンサルタント講習会で
柳川先生のサイトをご推薦いただいての投稿です。
労働衛生コンサルタント試験問題
労働衛生関係法令(択一式)
令和元年(2019年)問10に関しての質問です。
安衛法第13条第5項において
厚労省大臣が定める規格を具備するべき
防毒マスク5種の一つ「有機ガス用防毒マスク」についてです。
有機ガスの適応範囲は
どこの条文を見れば載ってますでしょうか?
本問題においては
硫化水素ガス用防毒マスクは
厚労省大臣が定める規格の適応外という回答には
納得していますが、類題が出た時に備えての問い合わせになります。
また、他のご質問者から上記と同様のご質問あった場合
重複になりますが、その際は参照投稿をご教示いただければ幸いです。
お手すきな際に、ご査収のほどよろしくお願いします。
Re:[1342] 労働安全コンサルタント「元方事業者等の責務・元方安全衛生管理体制」に関する質問 投稿者:マリー 投稿日時:2023/08/21(Mon) 11:08 No.1343
柳川先生
早速のご返信及び解説、誠に有難うございました。
お陰様ですべての疑問点についてすっきりしました!
-----------------------
(質問1)について、
「発注者」と「注文者」が、定義が異なることは既知だったのですが、
> ただし、同条第2項に「前項の規定は、当該事業の仕事が数次の請負契約によって行なわれることにより
> 同一の建設物等について同項の措置を講ずべき注文者が二以上あることとなるときは、後次の請負契約の
> 当事者である注文者については、適用しない」とされていますから、本条は二次下請け以降には適用されない
> こととなります。
ここの部分を知ることができ良かったです。本当にためになりました。
試験範囲外の一括丸投げについても解説有難うございました。納得できました!
-----------------------
(質問2)についても同様、
> 本条が、わざわざ「特定元方事業者以外のもの」と書いたのは、自ら仕事をする建設業者自身が
> 発注者になること(自社のビルを建てたいとか)もあり得るので、その場合は、自らが特定元方事業者
> として責任を持つことになるので本条からは除いたわけです。
この一文の解説のおかげでスッキリ納得できました!
-----------------------
今回も的確なご回答を頂き、本当にありがとうございました。
引き続き、宜しくお願い致します。
ありがとうございました!
> > ---------------------------
> > (質問1)
> >
> > 2015年の問11の(2 など、複数の問題に、
> > 「建設業の仕事を自ら行う注文者」との表現があります。
> > (過去問において、「特定事業の仕事を自ら行う注文者」と表現されている問題もあり。)
> >
> > この、「仕事を自ら行う注文者」といったものが、用語定義されていないため、少し悩んでいます。
> >
> > 労働安全コンサルタント筆記試験の法令科目のうち、
> > 事業者の責務に関する問題において、出題の多くは、
> > 「建設業に属する事業の元方事業者、いわゆる特定元方事業者」の責務
> > についての問題が多いかと思いますが、
> > この2015年の問中1の(2 については、「注文者の責務」についての問題です。
> >
> > ここで、「建設業の仕事を自ら行う注文者(特定事業を自ら行う注文者)」との表現が、
> > いまいちピンと来ません。
> >
> > 当然、この中には、「特定元方事業者」も含まれるとは思いますが、
> > 建設業において、「一次下請負事業者や二次下請負事業者の含んだ規制」
> > だと言った認識でよろしかったでしょうか?
> > (当然、最終次の下請負事業者は含まない、ことは認識しています。)
> >
> > この場合、(ひねくれた考えになってしまいますが、)たとえば、
> > 「元請事業者から仕事を請け負った一次下請負事業者が、
> > 当該仕事に自社社員は入らず、そのまま二次下請負事業者に丸投げする場合」
> > (いわゆるトンネル外注を行ったケース)
> > では、この規制から外れてしまうように感じるのですが、どうなのでしょうか?
> > (すみません。試験範囲からは逸脱した範囲の質問かもしれません。。。)
> >
> > ---------------------------
>
> 「仕事を自ら行う注文者」とは安衛法の第31条に出てくる概念ですが、「仕事を自ら行う」とされているのは、自らは仕事をしない発注者(建設業とは無関係な施主など)を除くという趣旨です。「仕事を自ら行う注文者」という用語そのものは、一次下請け、二次下請けを含む概念です。
>
> ただし、同条第2項に「前項の規定は、当該事業の仕事が数次の請負契約によって行なわれることにより同一の建設物等について同項の措置を講ずべき注文者が二以上あることとなるときは、後次の請負契約の当事者である注文者については、適用しない」とされていますから、本条は二次下請け以降には適用されないこととなります。
>
> ご指摘の通り、施主から仕事を受けた業者が他の業者に丸投げをするような場合、建設業法第22条違反ですが、本条の適用はないことになります。しかし、建設業法違反で処理されますし、自ら仕事をしない業者にあえて安衛法第31条の義務をかける必要はないと考えられたのだろうと思います。この場合、丸投げを請けた業者に同条の義務がかかりますから、実際にもその方が合理的でしょう。
> なお、二次下請け以降は丸投げをするしないに関わらず安衛法第31条違反とはなりません。
>
>
>
> > ---------------------------
> > (質問2)
> >
> > 上記、質問1の類似の質問ですが、
> > 例えば、2016年の問2の(2 において、
> > 「建設業の仕事の発注者で特定元方事業者以外のもの」に関する問題
> > ですが、これは、JV工事を想定した条文なのでしょうか?
> >
> > 「建設業の仕事の発注者で特定元方事業者以外のもの」が、上記同様に用語定義
> > されていないため、ピンときません・・・。
> > 「建設業の仕事の発注者」は当然分かるのですが、
> > わざわざ「特定元方事業者以外のもの」と書かれている点が引っかかっています。
> > 解説頂ければ幸いです。
> >
> > ---------------------------
>
> 問題文が「発注者」といい、「注文者」と言っていないのは、安衛法第30条の発注者を指しているのです。
>
> そして、安衛法第30条の「特定事業の仕事の発注者(注文者のうち、その仕事を他の者から請け負わないで注文している者をいう。以下同じ。)で、特定元方事業者以外のもの」とは、括弧の中が重要で、(自らは建設の仕事をしない)施主を意味します。
> ここで、「一の場所において行なわれる特定事業の仕事を二以上の請負人に請け負わせている場合」というのは、JVではなく、発注者が2つ以上の業者に別々の契約で仕事を請け負わせる場合を意味します。
> この場合、作業場内でそれぞれの業者がバラバラに作業をして危険なので、このようなことを義務づけているわけです。
>
>
> 本条が、わざわざ「特定元方事業者以外のもの」と書いたのは、自ら仕事をする建設業者自身が発注者になること(自社のビルを建てたいとか)もあり得るので、その場合は、自らが特定元方事業者として責任を持つことになるので本条からは除いたわけです。
>
>
> > ---------------------------
> > (質問3)
> >
> > また、2020年の問2の(4ですが、この問題については、
> > 「上位ランクのものを選任しているのでOK」との解釈で間違いなかったでしょうか?
> >
> > ---------------------------
>
> そういうことですね。
早速のご返信及び解説、誠に有難うございました。
お陰様ですべての疑問点についてすっきりしました!
-----------------------
(質問1)について、
「発注者」と「注文者」が、定義が異なることは既知だったのですが、
> ただし、同条第2項に「前項の規定は、当該事業の仕事が数次の請負契約によって行なわれることにより
> 同一の建設物等について同項の措置を講ずべき注文者が二以上あることとなるときは、後次の請負契約の
> 当事者である注文者については、適用しない」とされていますから、本条は二次下請け以降には適用されない
> こととなります。
ここの部分を知ることができ良かったです。本当にためになりました。
試験範囲外の一括丸投げについても解説有難うございました。納得できました!
-----------------------
(質問2)についても同様、
> 本条が、わざわざ「特定元方事業者以外のもの」と書いたのは、自ら仕事をする建設業者自身が
> 発注者になること(自社のビルを建てたいとか)もあり得るので、その場合は、自らが特定元方事業者
> として責任を持つことになるので本条からは除いたわけです。
この一文の解説のおかげでスッキリ納得できました!
-----------------------
今回も的確なご回答を頂き、本当にありがとうございました。
引き続き、宜しくお願い致します。
ありがとうございました!
> > ---------------------------
> > (質問1)
> >
> > 2015年の問11の(2 など、複数の問題に、
> > 「建設業の仕事を自ら行う注文者」との表現があります。
> > (過去問において、「特定事業の仕事を自ら行う注文者」と表現されている問題もあり。)
> >
> > この、「仕事を自ら行う注文者」といったものが、用語定義されていないため、少し悩んでいます。
> >
> > 労働安全コンサルタント筆記試験の法令科目のうち、
> > 事業者の責務に関する問題において、出題の多くは、
> > 「建設業に属する事業の元方事業者、いわゆる特定元方事業者」の責務
> > についての問題が多いかと思いますが、
> > この2015年の問中1の(2 については、「注文者の責務」についての問題です。
> >
> > ここで、「建設業の仕事を自ら行う注文者(特定事業を自ら行う注文者)」との表現が、
> > いまいちピンと来ません。
> >
> > 当然、この中には、「特定元方事業者」も含まれるとは思いますが、
> > 建設業において、「一次下請負事業者や二次下請負事業者の含んだ規制」
> > だと言った認識でよろしかったでしょうか?
> > (当然、最終次の下請負事業者は含まない、ことは認識しています。)
> >
> > この場合、(ひねくれた考えになってしまいますが、)たとえば、
> > 「元請事業者から仕事を請け負った一次下請負事業者が、
> > 当該仕事に自社社員は入らず、そのまま二次下請負事業者に丸投げする場合」
> > (いわゆるトンネル外注を行ったケース)
> > では、この規制から外れてしまうように感じるのですが、どうなのでしょうか?
> > (すみません。試験範囲からは逸脱した範囲の質問かもしれません。。。)
> >
> > ---------------------------
>
> 「仕事を自ら行う注文者」とは安衛法の第31条に出てくる概念ですが、「仕事を自ら行う」とされているのは、自らは仕事をしない発注者(建設業とは無関係な施主など)を除くという趣旨です。「仕事を自ら行う注文者」という用語そのものは、一次下請け、二次下請けを含む概念です。
>
> ただし、同条第2項に「前項の規定は、当該事業の仕事が数次の請負契約によって行なわれることにより同一の建設物等について同項の措置を講ずべき注文者が二以上あることとなるときは、後次の請負契約の当事者である注文者については、適用しない」とされていますから、本条は二次下請け以降には適用されないこととなります。
>
> ご指摘の通り、施主から仕事を受けた業者が他の業者に丸投げをするような場合、建設業法第22条違反ですが、本条の適用はないことになります。しかし、建設業法違反で処理されますし、自ら仕事をしない業者にあえて安衛法第31条の義務をかける必要はないと考えられたのだろうと思います。この場合、丸投げを請けた業者に同条の義務がかかりますから、実際にもその方が合理的でしょう。
> なお、二次下請け以降は丸投げをするしないに関わらず安衛法第31条違反とはなりません。
>
>
>
> > ---------------------------
> > (質問2)
> >
> > 上記、質問1の類似の質問ですが、
> > 例えば、2016年の問2の(2 において、
> > 「建設業の仕事の発注者で特定元方事業者以外のもの」に関する問題
> > ですが、これは、JV工事を想定した条文なのでしょうか?
> >
> > 「建設業の仕事の発注者で特定元方事業者以外のもの」が、上記同様に用語定義
> > されていないため、ピンときません・・・。
> > 「建設業の仕事の発注者」は当然分かるのですが、
> > わざわざ「特定元方事業者以外のもの」と書かれている点が引っかかっています。
> > 解説頂ければ幸いです。
> >
> > ---------------------------
>
> 問題文が「発注者」といい、「注文者」と言っていないのは、安衛法第30条の発注者を指しているのです。
>
> そして、安衛法第30条の「特定事業の仕事の発注者(注文者のうち、その仕事を他の者から請け負わないで注文している者をいう。以下同じ。)で、特定元方事業者以外のもの」とは、括弧の中が重要で、(自らは建設の仕事をしない)施主を意味します。
> ここで、「一の場所において行なわれる特定事業の仕事を二以上の請負人に請け負わせている場合」というのは、JVではなく、発注者が2つ以上の業者に別々の契約で仕事を請け負わせる場合を意味します。
> この場合、作業場内でそれぞれの業者がバラバラに作業をして危険なので、このようなことを義務づけているわけです。
>
>
> 本条が、わざわざ「特定元方事業者以外のもの」と書いたのは、自ら仕事をする建設業者自身が発注者になること(自社のビルを建てたいとか)もあり得るので、その場合は、自らが特定元方事業者として責任を持つことになるので本条からは除いたわけです。
>
>
> > ---------------------------
> > (質問3)
> >
> > また、2020年の問2の(4ですが、この問題については、
> > 「上位ランクのものを選任しているのでOK」との解釈で間違いなかったでしょうか?
> >
> > ---------------------------
>
> そういうことですね。
Re:[1340] 労働安全コンサルタント「元方事業者等の責務・元方安全衛生管理体制」に関する質問 投稿者:柳川行雄 投稿日時:2023/08/20(Sun) 15:09 No.1342
> ---------------------------
> (質問1)
>
> 2015年の問11の(2 など、複数の問題に、
> 「建設業の仕事を自ら行う注文者」との表現があります。
> (過去問において、「特定事業の仕事を自ら行う注文者」と表現されている問題もあり。)
>
> この、「仕事を自ら行う注文者」といったものが、用語定義されていないため、少し悩んでいます。
>
> 労働安全コンサルタント筆記試験の法令科目のうち、
> 事業者の責務に関する問題において、出題の多くは、
> 「建設業に属する事業の元方事業者、いわゆる特定元方事業者」の責務
> についての問題が多いかと思いますが、
> この2015年の問中1の(2 については、「注文者の責務」についての問題です。
>
> ここで、「建設業の仕事を自ら行う注文者(特定事業を自ら行う注文者)」との表現が、
> いまいちピンと来ません。
>
> 当然、この中には、「特定元方事業者」も含まれるとは思いますが、
> 建設業において、「一次下請負事業者や二次下請負事業者の含んだ規制」
> だと言った認識でよろしかったでしょうか?
> (当然、最終次の下請負事業者は含まない、ことは認識しています。)
>
> この場合、(ひねくれた考えになってしまいますが、)たとえば、
> 「元請事業者から仕事を請け負った一次下請負事業者が、
> 当該仕事に自社社員は入らず、そのまま二次下請負事業者に丸投げする場合」
> (いわゆるトンネル外注を行ったケース)
> では、この規制から外れてしまうように感じるのですが、どうなのでしょうか?
> (すみません。試験範囲からは逸脱した範囲の質問かもしれません。。。)
>
> ---------------------------
「仕事を自ら行う注文者」とは安衛法の第31条に出てくる概念ですが、「仕事を自ら行う」とされているのは、自らは仕事をしない発注者(建設業とは無関係な施主など)を除くという趣旨です。「仕事を自ら行う注文者」という用語そのものは、一次下請け、二次下請けを含む概念です。
ただし、同条第2項に「前項の規定は、当該事業の仕事が数次の請負契約によって行なわれることにより同一の建設物等について同項の措置を講ずべき注文者が二以上あることとなるときは、後次の請負契約の当事者である注文者については、適用しない」とされていますから、本条は二次下請け以降には適用されないこととなります。
ご指摘の通り、施主から仕事を受けた業者が他の業者に丸投げをするような場合、建設業法第22条違反ですが、本条の適用はないことになります。しかし、建設業法違反で処理されますし、自ら仕事をしない業者にあえて安衛法第31条の義務をかける必要はないと考えられたのだろうと思います。この場合、丸投げを請けた業者に同条の義務がかかりますから、実際にもその方が合理的でしょう。
なお、二次下請け以降は丸投げをするしないに関わらず安衛法第31条違反とはなりません。
> ---------------------------
> (質問2)
>
> 上記、質問1の類似の質問ですが、
> 例えば、2016年の問2の(2 において、
> 「建設業の仕事の発注者で特定元方事業者以外のもの」に関する問題
> ですが、これは、JV工事を想定した条文なのでしょうか?
>
> 「建設業の仕事の発注者で特定元方事業者以外のもの」が、上記同様に用語定義
> されていないため、ピンときません・・・。
> 「建設業の仕事の発注者」は当然分かるのですが、
> わざわざ「特定元方事業者以外のもの」と書かれている点が引っかかっています。
> 解説頂ければ幸いです。
>
> ---------------------------
問題文が「発注者」といい、「注文者」と言っていないのは、安衛法第30条の発注者を指しているのです。
そして、安衛法第30条の「特定事業の仕事の発注者(注文者のうち、その仕事を他の者から請け負わないで注文している者をいう。以下同じ。)で、特定元方事業者以外のもの」とは、括弧の中が重要で、(自らは建設の仕事をしない)施主を意味します。
ここで、「一の場所において行なわれる特定事業の仕事を二以上の請負人に請け負わせている場合」というのは、JVではなく、発注者が2つ以上の業者に別々の契約で仕事を請け負わせる場合を意味します。
この場合、作業場内でそれぞれの業者がバラバラに作業をして危険なので、このようなことを義務づけているわけです。
本条が、わざわざ「特定元方事業者以外のもの」と書いたのは、自ら仕事をする建設業者自身が発注者になること(自社のビルを建てたいとか)もあり得るので、その場合は、自らが特定元方事業者として責任を持つことになるので本条からは除いたわけです。
> ---------------------------
> (質問3)
>
> また、2020年の問2の(4ですが、この問題については、
> 「上位ランクのものを選任しているのでOK」との解釈で間違いなかったでしょうか?
>
> ---------------------------
そういうことですね。
> (質問1)
>
> 2015年の問11の(2 など、複数の問題に、
> 「建設業の仕事を自ら行う注文者」との表現があります。
> (過去問において、「特定事業の仕事を自ら行う注文者」と表現されている問題もあり。)
>
> この、「仕事を自ら行う注文者」といったものが、用語定義されていないため、少し悩んでいます。
>
> 労働安全コンサルタント筆記試験の法令科目のうち、
> 事業者の責務に関する問題において、出題の多くは、
> 「建設業に属する事業の元方事業者、いわゆる特定元方事業者」の責務
> についての問題が多いかと思いますが、
> この2015年の問中1の(2 については、「注文者の責務」についての問題です。
>
> ここで、「建設業の仕事を自ら行う注文者(特定事業を自ら行う注文者)」との表現が、
> いまいちピンと来ません。
>
> 当然、この中には、「特定元方事業者」も含まれるとは思いますが、
> 建設業において、「一次下請負事業者や二次下請負事業者の含んだ規制」
> だと言った認識でよろしかったでしょうか?
> (当然、最終次の下請負事業者は含まない、ことは認識しています。)
>
> この場合、(ひねくれた考えになってしまいますが、)たとえば、
> 「元請事業者から仕事を請け負った一次下請負事業者が、
> 当該仕事に自社社員は入らず、そのまま二次下請負事業者に丸投げする場合」
> (いわゆるトンネル外注を行ったケース)
> では、この規制から外れてしまうように感じるのですが、どうなのでしょうか?
> (すみません。試験範囲からは逸脱した範囲の質問かもしれません。。。)
>
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「仕事を自ら行う注文者」とは安衛法の第31条に出てくる概念ですが、「仕事を自ら行う」とされているのは、自らは仕事をしない発注者(建設業とは無関係な施主など)を除くという趣旨です。「仕事を自ら行う注文者」という用語そのものは、一次下請け、二次下請けを含む概念です。
ただし、同条第2項に「前項の規定は、当該事業の仕事が数次の請負契約によって行なわれることにより同一の建設物等について同項の措置を講ずべき注文者が二以上あることとなるときは、後次の請負契約の当事者である注文者については、適用しない」とされていますから、本条は二次下請け以降には適用されないこととなります。
ご指摘の通り、施主から仕事を受けた業者が他の業者に丸投げをするような場合、建設業法第22条違反ですが、本条の適用はないことになります。しかし、建設業法違反で処理されますし、自ら仕事をしない業者にあえて安衛法第31条の義務をかける必要はないと考えられたのだろうと思います。この場合、丸投げを請けた業者に同条の義務がかかりますから、実際にもその方が合理的でしょう。
なお、二次下請け以降は丸投げをするしないに関わらず安衛法第31条違反とはなりません。
> ---------------------------
> (質問2)
>
> 上記、質問1の類似の質問ですが、
> 例えば、2016年の問2の(2 において、
> 「建設業の仕事の発注者で特定元方事業者以外のもの」に関する問題
> ですが、これは、JV工事を想定した条文なのでしょうか?
>
> 「建設業の仕事の発注者で特定元方事業者以外のもの」が、上記同様に用語定義
> されていないため、ピンときません・・・。
> 「建設業の仕事の発注者」は当然分かるのですが、
> わざわざ「特定元方事業者以外のもの」と書かれている点が引っかかっています。
> 解説頂ければ幸いです。
>
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問題文が「発注者」といい、「注文者」と言っていないのは、安衛法第30条の発注者を指しているのです。
そして、安衛法第30条の「特定事業の仕事の発注者(注文者のうち、その仕事を他の者から請け負わないで注文している者をいう。以下同じ。)で、特定元方事業者以外のもの」とは、括弧の中が重要で、(自らは建設の仕事をしない)施主を意味します。
ここで、「一の場所において行なわれる特定事業の仕事を二以上の請負人に請け負わせている場合」というのは、JVではなく、発注者が2つ以上の業者に別々の契約で仕事を請け負わせる場合を意味します。
この場合、作業場内でそれぞれの業者がバラバラに作業をして危険なので、このようなことを義務づけているわけです。
本条が、わざわざ「特定元方事業者以外のもの」と書いたのは、自ら仕事をする建設業者自身が発注者になること(自社のビルを建てたいとか)もあり得るので、その場合は、自らが特定元方事業者として責任を持つことになるので本条からは除いたわけです。
> ---------------------------
> (質問3)
>
> また、2020年の問2の(4ですが、この問題については、
> 「上位ランクのものを選任しているのでOK」との解釈で間違いなかったでしょうか?
>
> ---------------------------
そういうことですね。