労働衛生コンサルタント筆記試験直前チェックシート

粉じん障害の防止のための措置等




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※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、労働安全衛生法及びじん肺法による粉じん障害の防止のための措置等についてまとめてあります。

 労働衛生コンサルタント試験の筆記試験の直前チェックシートとして作成しました。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

【粉じん障害の防止のための措置等】

出題年 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 重要性
出題数 2 1 2 1 2 2 2 1 2 1 1 1

粉じんによる健康障害防止は、安衛法に根拠を持つ粉じん障害防止のための粉じん則による規制と、じん肺法に根拠を持つじん肺の早期発見・早期対策からなる規制の2系統がある。

出題数はきわめて多く、2題出題される場合は、粉じん障害防止対策一般と、じん肺の管理区分の判定等について出題されることが多い。

難問と基本的な設問があり、基本的な設問は確実に正答できるようにしておきたい。

【粉じんによる健康障害防止で押さえておくべき事項】

管理区分 作業転換 じん肺健康診断の頻度
管理1 じん肺の所見はないので義務はない 現に粉じん作業に常時従事している者は3年以内ごと
管理2 じん肺の所見はあるが義務はない
  • 現に粉じん作業に常時従事している者は1年以内ごと
  • 粉じん作業に常時従事させたことがある者は3年以内ごと
管理3
  • 事業者自ら作業転換させる義務はない。
  • 労働局長による勧奨が可能。勧奨を受けたら努力義務。
1年以内ごと
  • 事業者自ら作業転換させる努力義務あり。
  • 労働局長による指示が可能。
1年以内ごと
管理4 療養の必要 療養の必要があるため健診は不要

【作業環境管理】

  • 常時特定粉じん作業が行われる屋内作業場について、6月以内ごとに1回、定期に、当該作業場における空気中の粉じんの濃度の測定(作業環境測定)を行わなければならない。
  • 屋内作業場のうち、土石、岩石又は鉱物に係る特定粉じん作業を行う屋内作業場において、作業環境測定を行うときは、原則としてその粉じん中の遊離けい酸の含有率を測定しなければならない。
  • 粉じん作業を行う坑内作業場については、半月以内ごとに一回、定期に、空気中の粉じんの濃度を測定しなければならない。
  • 粉じん則には、別表として別表第1、別表第2及び別表第3が定められており、それらの意味は次のようになっている。
  • 意味 必要な対策
    別表第1

    粉じん作業の範囲。

    ※ 別表第2の発散源の作業と別表第3の作業の双方を包含する。

    別表第2

    特定粉じん発生源の範囲。

    ※ 粉じん作業のうち、その粉じん発生源が特定粉じん発生源であるものを特定粉じん作業という。

    特定粉じん発生源については、粉じん則第4条に定めるところにより、一定の工学的対策が必要となる。
    別表第3 特定粉じん作業よりも有害性の低い作業 原則として有効な呼吸用保護具を使用させなければならない。
  • 原則として粉じん作業を行う屋内作業場の床、設備等については、たい積した粉じんを除去するため1月以内ごとに1回、定期に、真空掃除機を用いて、又は水洗する等粉じんが飛散しない方法によって清掃を行わなければならない。

【労働衛生教育】

  • 特定粉じん作業にかかる業務を労働者に行わせるときは、予め特別教育を行わなければならない。

【健康管理】

  • 粉じん作業に従事する労働者のじん肺健康診断を行ったときは、じん肺の所見があると診断された労働者について、じん肺健康診断結果証明書及び直接撮影による胸部全域のエックス線写真(※)を都道府県労働局長に提出しなければならない。
  • ※ なお、法令の範囲からは外れるが、「じん肺健康診断及びじん肺管理区分の決定におけるDR(FPD)写真及びCR写真の取扱い等について」に留意すること。

  • 粉じん作業に従事する労働者及び粉じん作業に従事する労働者であった者は、じん肺健康診断の結果に基づき、次の表の右欄により、管理一から管理四までに区分して、このじん肺法の規定により、健康管理を行う。
  • じん肺管理区分 じん肺健康診断の結果
    管理一 じん肺の所見がないと認められるもの
    管理二 エックス線写真の像が第一型で、じん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるもの
    管理三 両肺野にじん肺による粒状影又は不整形陰影が極めて多数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの
    エックス線写真の像が第三型又は第四型(大陰影の大きさが一側の肺野の三分の一以下のものに限る。)で、じん肺による著しい肺機能の障害がないと認められるもの
    管理四

    (1)エックス線写真の像が第四型(大陰影の大きさが一側の肺野の三分の一を超えるものに限る。)と認められるもの

    (2)エックス線写真の像が第一型、第二型、第三型又は第四型(大陰影の大きさが一側の肺野の三分の一以下のものに限る。)で、じん肺による著しい肺機能の障害があると認められるもの

  • じん肺のエックス線写真の像は、次の表の下欄に掲げるところにより、第一型から第四型までに区分する
  • エックス線写真の像
    第一型 両肺野にじん肺による粒状影又は不整形陰影が少数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの
    第二型 両肺野にじん肺による粒状影又は不整形陰影が多数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの
    第三型 両肺野にじん肺による粒状影又は不整形陰影が極めて多数あり、かつ、大陰影がないと認められるもの
    第四型 大陰影があると認められるもの
  • 合併症とは、じん肺管理区分が管理二又は管理三と決定された者に係るじん肺と合併した次に掲げる疾病である。
    • 肺結核
    • 結核性胸膜炎
    • 続発性気管支炎
    • 続発性気管支拡張症
    • 続発性気胸
    • 原発性肺がん
2022年02月04日執筆 2024年02月24日最終改訂