労働衛生コンサルタント筆記試験直前チェックシート

石綿障害予防規則による規制(まとめ)




トップ
協議するビジネスパーソン

※ イメージ図(©photoAC)

 このページは、労働安全衛生法及び石綿障害予防規則の規制についてまとめてあります。

 労働衛生コンサルタント試験の筆記試験の直前チェックシートとして作成しました。

 柳川に著作権があることにご留意ください。

【石綿障害予防規則による化学物質規制】

出題年 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 重要性
出題数 1 1 1 1 1 1 1 1 1

石綿則は出題されない年はあるものの、ほぼ必出といってよい。今後もこの傾向は変わらないものと考えられる。

石綿については、製造・新たな使用ということは、一部の例外を除いてはないんで、建築物・船舶の修繕、解体、石綿の封じ込め等の作業に関する問題が出題される。

【監督署長への報告】

  • 耐火建築物又は準耐火建築物に吹き付けられた石綿等の除去作業の仕事を行うとき(安衛則第90条第五号の二)は、その仕事の開始の日の14日前までに、その計画を所轄労働基準監督署長に届け出なければならない。
  • 石綿等を取り扱い、若しくは試験研究のため製造する事業者又は石綿分析用試料等を製造する事業者は、事業を廃止しようとするときは、石綿関係記録等報告書に次の記録及び石綿健康診断個人票又はこれらの写しを添えて、所轄労働基準監督署長に提出する必要がある。
  • 石綿等に係る作業の記録
  • 石綿の空気中における濃度の測定結果の記録
  • 石綿健康診断個人票

【事前調査】

  • 建築物、工作物又は船舶(鋼製の船舶に限る。以下同じ。)の解体又は改修(封じ込め又は囲い込みを含む。)の作業(以下「解体等の作業」という。)を行うときは、石綿による労働者の健康障害を防止するため、あらかじめ、当該建築物、工作物又は船舶(それぞれ解体等の作業に係る部分に限る。以下「解体等対象建築物等」という。)について、石綿等の使用の有無を調査(以下「事前調査」という。)しなければならない。
  • 事前調査は、解体等対象建築物等の全ての材料について次の方法で行わなければならない。
  • 設計図書等の文書(電磁的記録を含む。以下同じ。)を確認する方法。ただし、設計図書等の文書が存在しないときは、この限りでない。
  • 目視により確認する方法。ただし、解体等対象建築物等の構造上目視により確認することが困難な材料については、この限りでない。
  • 前項にかかわらず、事前調査は、簡易な方法が認められている場合がある。要するに、ある時期に建築された建設物等は石綿があることがほとんどなので、「ない」ものが「ある」と判断されかなない方法でも、事業者がそれでよいなら認めるということ。

【石綿使用建築物等解体等作業実施時の留意事項】

  • 石綿等が使用されている解体等対象建築物等の解体等の作業(石綿使用建築物等解体等作業)を行うときは、石綿による労働者の健康障害を防止するため、あらかじめ、作業計画を定め、かつ、当該作業計画により石綿使用建築物等解体等作業を行わなければならない。
  • 隔離を行った作業場所における、解体等対象建築物等に吹き付けられている石綿等(石綿含有仕上げ塗材を除く。)の除去、封じ込め又は囲い込みの作業に労働者を従事させるときは、電動ファン付き呼吸用保護具又はこれと同等以上の性能を有する空気呼吸器、酸素呼吸器若しくは送気マスクを使用させなければならない。
  • 壁、柱、天井等に石綿等が吹き付けられた建築物又は船舶の解体等の作業を行う場合における当該石綿等を除去する作業に労働者を従事させるときは、次に定める措置を講じなければならない。
  • 石綿等の除去等を行う作業場所を、それ以外の作業を行う作業場所から隔離すること。
  • 石綿等の除去等を行う作業場所にろ過集じん方式の集じん・排気装置を設け、排気を行うこと。
  • 石綿等の除去等を行う作業場所の出入口に前室、洗身室及び更衣室を設置すること。これらの室の設置に当たっては、石綿等の除去等を行う作業場所から労働者が退出するときに、前室、洗身室及び更衣室をこれらの順に通過するように互いに連接させること。
  • 石綿等の除去等を行う作業場所及び前号の前室を負圧に保つこと。
  • 隔離を行った作業場所において初めて作業を行う場合には、業を開始した後速やかに、ろ過集じん方式の集じん・排気装置の排気口からの石綿等の粉じんの漏えいの有無を点検すること。
  • ろ過集じん方式の集じん・排気装置の設置場所を変更したときその他当該集じん・排気装置に変更を加えたときは、当該集じん・排気装置の排気口からの石綿等の粉じんの漏えいの有無を点検すること。
  • その日の作業を開始する前及び作業を中断したときは、前室が負圧に保たれていることを点検すること。
  • 上記の点検を行った場合において、異常を認めたときは、直ちに前項各号に掲げる作業を中止し、ろ過集じん方式の集じん・排気装置の補修又は増設その他の必要な措置を講ずること。

【教育、作業記録等】

  • 石綿使用建築物等解体等作業を行うときは、当該労働者に対し、次の科目について、当該業務に関する衛生のための特別の教育を行わなければならない。
  • 石綿等の取扱い若しくは試験研究のための製造又は石綿分析用試料等の製造に伴い石綿の粉じんを発散する場所において常時作業に従事する労働者について、一月を超えない期間ごとに次の事項が記された作業記録を作成し、これを当該労働者が当該事業場において常時当該作業に従事しないこととなった日から40年間保存する必要がある。
  • 労働者の氏名
  • 石綿等を取り扱い、又は試験研究のため製造する作業に従事した労働者にあっては、従事した作業の概要及び当該作業に従事した期間
  • 石綿等の取扱い又は試験研究のための製造に伴い石綿の粉じんを発散する場所における作業(前号の作業を除く。以下この号において「周辺作業」という。)に従事した労働者(以下この号において「周辺作業従事者」という。)にあっては、当該場所において他の労働者が従事した石綿等を取り扱い、又は試験研究のため製造する作業の概要及び当該周辺作業従事者が周辺作業に従事した期間
  • 石綿等の粉じんにより著しく汚染される事態が生じたときは、その概要及び事業者が講じた応急の措置の概要

【その他】

  • その労働者を常時就業させる自社所有の建築物の壁等に張り付けられた保温材、耐火被覆材等が損傷、劣化等により石綿等の粉じんを発散させ、及び労働者がその粉じんにばく露するおそれがあるときは、当該保温材、耐火被覆材等の除去、封じ込め、囲い込み等の措置を講じなければならない。
2022年02月05日執筆 2024年02月24日最終改訂