件名: Re: 化学物質リスクアセス
記事No 136
投稿日 : 2017/12/14(Thu) 06:28:20
投稿者 柳川行雄
参照先
粉様

基本的に仰られる通りでよいと思います。

東京地裁1981年9月28日は、六価クロム事件の判決で、次のように言っています。
化学企業が労働者を使用して有害な化学物質の製造・取扱いを開始し、これを継続する場合には、先ず、当該化学物質の人体への影響等その有害性について、内外の文献等によって調査・研究を行い、その毒性に対応して職場環境の整備等、労働者の生命・健康の保持に努めるべき義務を負うことはいうまでもない。
予見すべき毒性の内容は、肺がん等の発生という重篤な健康被害の発生が指摘されている事実で十分であって、個々の具体的症状の内容や発症機序、原因物質の特定、統計的なリスクの確認まで要するものではない。

化学企業に限ってはいますが、まさに、「細かい事は抜きに、化学物質を使用する際は先ずは調べ・考え」なさいと言っています。
ただ、「そして結果を伝えなさい」とまでは言っていませんので、結果を伝えることは安全配慮義務の内容にならないかもしれません。ここは意見の分かれるところだと思います。

そのほか、細かいことを申し上げれば、安全配慮義務は事故が発生した後に問題になりますが、実際には事故が発生する前に履行すべき契約上の債務ですので、必要なリスクアセスメントを行っていなければ、事故が起きていなくても安全配慮義務を果たしていないと評価されることにはなります。

また、労働災害が発生したとしても、「労働安全衛生法に規定された罰則(6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金)労働安全衛生法 第20条第2号の違反」に該当することはありません。第27条の規定により定められる厚生労働省令に違反しているときに違反が問われます。


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