件名: Re^3: 経皮吸収の蒸気について
記事No 102
投稿日 : 2017/08/19(Sat) 11:24:44
投稿者 柳川行雄
参照先
詳細な情報のご提供、ありがとうございます。

ご使用しておられる接着剤について、積水化学が公開しているSDSを見てみました。
有害性はそれほど低くはないようですが、屋外であることと、使用量がそれほど多いとは言えない(とはいえ、0.5kg/dayですから、かなりの量ではあります)ことを考慮すると、経気道ばく露のリスクはそれほど高くないようには思えます。

しかし、シクロヘキサンが20~30%含まれており、この管理濃度が20ppmで、接着剤そのものの発がん性区分と生殖毒性区分が2ですから、屋内用の簡易なリスクアセスメントツールでアセスメントを行えば、リスクは高いという結果になると思います。

安心のためには(「息を止める」というのは、やや過激です)、別な方法できちんとリスクを確認しておく方がよいと思います。

典型的な作業を行うとき、個人サンプラー(パッシブ方式のバッジ)を作業者(複数)につけてもらい、これを分析機関に送付して分析すると、1件当たり数千円程度の費用で分析できます。
そしてそれらの測定結果の「平均値+(3×標準偏差)」の値が、管理濃度より十分に低ければ、この作業についてのリスクは低いと判断するという方法が、現実的な方法の中では最も理想的ではないかなと思います。

なお、サンプラーの着用の方法(必ず8時間着用)や、サンプラーをつけてもらう作業者の数をどの程度にするかについては、予め分析機関に尋ねておいた方がよいと思います。

サンプル数にもよりますが、数万円程度のコストになります。安くはありませんが、CSRを考えると、この方法でリスクは低いということを確認しておけば、安心できるのではないかと思います。


なお、建設業の化学物質のリスクアセスメントについては、建災防が解説書を公表しています。

https://www.kensaibou.or.jp/data/pdf/leaflet/chemical_substance_handling_work_risk_assessment.pdf

ただ、これは簡易なシステムの解説なので、これを用いると、御社の場合、ややリスクが高めに出るかもしれません。


また、経皮ばく露防止対策としては、適切な保護手袋の着用をお勧めします。

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