スレッド:ご挨拶、嗅覚と許容濃度の活用
ご挨拶、嗅覚と許容濃度の活用 投稿者:中林 正章 投稿日:2016/06/10(Fri) 10:03:07 No.5
はじめまして中林と申します。研究開発部(実験室)に適した化学物質リスクアセスメントを実施するべく日々格闘する中、柳川先生のサイトに先月たどり着きました。色々ご相談したいことはございますが、まずはご挨拶申し上げます。失礼の段、ご容赦下さい。
Re: ご挨拶、嗅覚と許容濃度の 投稿者:柳川 行雄 投稿日:2016/06/10(Fri) 20:58:46 No.6
実験室に適した化学物質のリスクアセスメントというのは、なかなか大変そうですね。世界的に名の通った化学物質関係の研究所でも職業性疾病のリスクアセスメントでは苦労しているようです。
こちらこそよろしくお願いします。
Re^2: ご挨拶、嗅覚と許容濃度の 投稿者:中林 正章 投稿日:2016/06/13(Mon) 13:36:56 No.7
お世話になっております。私共では非定常作業が多いため作業環境測定は疑似発生源を別途準備して実施し、毎回検出限界未満です。一方、一時的に臭気を感じた旨の報告もあり実効性に疑問が残ります。そこで、特定悪臭物質(23物質)については環境省が公開している臭気強度と濃度の関係表、日本環境衛生センターや国立医薬食品衛生研究所が報告している嗅覚閾値をリスクアセスメントに活用(例えば臭気強度3の濃度、または嗅覚閾値の20倍の濃度を推定環境濃度として評価)しています。これで中災防推奨マトリックス法に適用してもなお過剰判定傾向にあるため、BIGDr.Workerで評価開始しました。
Re^3: ご挨拶、嗅覚と許容濃度の 投稿者:柳川 行雄 投稿日:2016/06/14(Tue) 05:54:41 No.8
いろいろな工夫をされていますね。
疑似発散源を作って作業環境測定を行うというのは、御社のオリジナルの手法だと思いますが、疑似発散源の内容をどのように決定されるのか、またその近傍でB測定を行っておられるのか、興味のわくところです。
特定汚臭物質は、一般に嗅覚閾値よりも職業暴露限界値の方が大きいと思いますが、においを感じたときに使用していた物質で、職業暴露限界値より嗅覚閾値の方が大きい物質がなかったかには関心のあるところです。

ところで、中災防方式は、日常の繰り返し作業を想定していますし、単純な手法なので安全率を高くとっていますから、過剰な反応がでることを想定している手法です。むしろ、中災防方式で簡易にリスクアセスメント手法をしてみて、リスクが高いという結論が出た場合は、実際に測定をし、濃度が低ければそれでよしとするという使い方が一般的だとは思うのですが・・・

BIGDr.はECETOCのTRAそのものですが、これも実際に作業環境測定を行うよりは精度は低いと思います。つまり、作業環境測定を行って問題はなかったにもかかわらずBIGDR.を使用するということはあまりしないのではないかと思います。

もし、作業はすべてクリーンベンチかドラフトチャンバの中で行っておられるというのであれば、あまり気中濃度に拘られる必要はないのではないでしょうか。労働安全衛生法でも、法令に準じた対応を採っている場合はリスクは低いと判断してよいとされています。

むしろ排気装置を不注意で使用せずに作業を行ってしまうなどの研究者の不注意による想定外のケースや、保護手袋の種類や使用期間の問題による経皮ばく露などの可能性について検討する方が理に適っているような気はします。
Re^4: ご挨拶、嗅覚と許容濃度の 投稿者:中林 正章 投稿日:2016/06/14(Tue) 12:19:31 No.9
ありがとうございます。疑似発散源は有機則対象物質のうち対象エリアである程度使用実績があるものと、第3種で測定対象外だが使用頻度が高い溶剤を選定し、B測定も実施しています。原則作業環境測定を実施し、結果が不明な場合や不測の事態が発生した時は嗅覚も活用すべきという考えです。メタンなどの窒息性ガスを除き化学反応を起こすことが有害性の原因のはずですので、大多数が嗅覚で検知可能と考えています。どうせやるなら作業者の負担にならず、かつ安全感度を向上出来る方法でと考えています。ECETOC TRAのPROC15は秀逸かと。保護具は十文字学園女子大の田中先生にご指導頂いたことがあります。
Re^5: ご挨拶、嗅覚と許容濃度の 投稿者:柳川 行雄 投稿日:2016/06/14(Tue) 20:37:18 No.10
第3種有機溶剤も測定しているのですか? ガソリンはともかくとして第3種有機溶剤の気中濃度測定というのは通常はやらないと思うのですが・・・。成分について測定しているのでしょうか?

ところで、嗅覚に頼るというのはどうなんでしょう? 最近ではセンサーでも様々な化学物質に対応できるものが開発されていますし、センサーに頼る方がよいと思いますが・・・
Re^6: ご挨拶、嗅覚と許容濃度の 投稿者:中林 正章 投稿日:2016/06/15(Wed) 08:59:21 No.11
具体的にはアセトニトリルです。もし可能でしたら柳川さまのメールアドレスかお電話番号を教えて頂けませんでしょうか?私の言葉足らずでなかなか正確にお伝え出来ていないようですので・・・。
Re^7: ご挨拶、嗅覚と許容濃度の 投稿者:柳川 行雄 投稿日:2016/06/15(Wed) 20:54:07 No.12
申し訳ないのですが、現時点ではメルアド、電話番号等は公開しない方針です。

ただ、アセトニトリルでしたら、ACGIHのTLV-TWAも公開されておりますし、試薬も販売されています。確定した測定法があるわけではないかもしれませんが、キャニスターで採集してガスクロにかければ気中濃度や個人ばく露濃度の測定も可能ではないかと思います。使用している量が少なくかつ毎日使用しているわけでもないのであれば、ECETOCのTRAでもリスクアセスメントとしては十分ではないかと思います。
また、アクシデント性の急性中毒のリスクアセスメントでしたら、シナリオ抽出をして、マトリクス法等の古典的な手法を使うしかないと思います。臭いを利用するというのはリスクアセスメントにはならないのではないでしょうか。

なお、保護具について田中先生の御指導を受けておられるとのことですので、経皮ばく露等の問題も適切に対応されておられると思います。
Re^8: ご挨拶、嗅覚と許容濃度の 投稿者:中林 正章 投稿日:2016/06/16(Thu) 08:36:03 No.13
承知致しました。こちらこそ不躾なお願いをして大変申し訳ありませんでした。今後ともよろしくお願い申し上げます。
Re^9: ご挨拶、嗅覚と許容濃度の 投稿者:柳川 行雄 投稿日:2016/06/17(Fri) 20:06:32 No.15
中林さんが企業名と企業内のメルアドを明示しておられることは、誠意の表れと考えております。とくに不躾などとは考えておりません。

ただ、私自身は、個人のWEBサイトに併設された掲示板で、個別の事案にあまりに詳細に立ち入ることは避けるべきだと考えています。これには現時点では例外はつけない方針です。

何かあったときに責任の取りようがないというのがその理由です。

一般的なご質問でしたら、お答えするのにやぶさかではありません。

よろしくお願いします。

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