スレッド:SDS 安衛法と化管法と毒劇法
SDS 安衛法と化管法と毒劇法 投稿者:急ごしらえ 投稿日:2016/12/05(Mon) 16:11:36 No.27
初めまして。

Web検索等してたどりつきましたものです。

化学知識は疎いです。建設業の安全・遵法管理部署にいます。

RAの実施義務と努力義務についてはほぼ理解できたと考えていますが 2000年、2001年ごろから既に SDSの交付義務がかかっている
と知って、びっくりしています。(実質、ほぼノー管理でした)

質問ですが、
安衛法の640品目は 化管法562 毒劇法427(あってますかね)
を全て網羅していると考えて間違いないでしょうか?
(あるいはリスクが小さいから構わないとか)

検索してみろとか言われても数が膨大なので
尻込みしています。

素人が理解しやすいような
ざっくりとした説明が欲しいです。

網羅率が100%でない場合は
その例外の実例や考え方について
簡単でよいので、ご説明いただけないでしょうか?

ご回答のほど、よろしくお願い申し上げます。

Re: 安衛法と化管法と毒劇法 投稿者:柳川行雄 投稿日:2016/12/05(Mon) 21:52:22 No.28
ものすごく難しい質問です。というのはそれぞれの法律は化管法は経産省、安衛法と毒劇法も厚生労働省のそれぞれ別な部署で担当しており、独自の考え方で対応しているからです。

いずれにせよ、労働安全衛生法の通知対象物は、毒劇法と化管法のSDSの対象物質を包含してはいません。SDSの制度ができたときに、それぞれの法律の対象物のベン図が公表されていましたが、その後は更新はされていなかったと思います。探してみたのですが、見つかりませんでした。

それぞれの法律でSDSの対象となっている物質の一覧は、経済産業省の関係団体(NITE)のサイト

http://www.nite.go.jp/chem/prtr/msds/msmate.html

から参照することができます。ただし、それぞれの表で、同じ物質が同じ名称で表示されているとは限りません。

また、九州大学の資料ですが

http://search.yahoo.co.jp/r/FOR=.XdGfgNV3iiH_5VBxqNeV_lUCE6P88DyMIfpRpvnf0pOXwxCcKdMVJXKNQmb72HaM.tdsmChBKYamSM6324Ku4SmlqEiJgiGjqi7PBhDKwhq5ZtA7dEH7HmNuKJNnt5Ajo_Y7h7TqWBXgB3PK_NunTwrmZSjiZuAmQoJAtfYjPiN_R6ByvaeqvAu52vF3EYTx1hpFSn6fFfY8CmGiwmlPP6n_1bLgexfp3bf8cToChAcknoE/_ylt=A2RitWOJXEVY5k0ACxuDTwx.;_ylu=X3oDMTEyc2djdDRnBHBvcwMxBHNlYwNzcgRzbGsDdGl0bGUEdnRpZANqcDAwNDQ-/SIG=127u9l0bl/EXP=1481041481/**http%3A//kan-an.jimu.kyushu-u.ac.jp/file/44-2-GHS.xls

はEXCELファイルにまとまっています。ただし、ちょっと情報が古いようです。
Re^2: 安衛法と化管法と毒劇法 投稿者:急ごしらえ 投稿日:2016/12/06(Tue) 09:36:03 No.29
ご回答ありがとうございます。

九州大学の資料 すごいですね。
よくぞここまでという気がします。

さて
「労働安全衛生法の通知対象物は、毒劇法と化管法のSDSの対象物質を包含してはいません。」

のご回答を明確にいただけて
ひとまず安心です。

やはり、SDSの15番目に、発行元が該当法令を
正確に記載していただける
ことを期待するとともに
入手品ごとに都度、CHRIPとかで
検索するしかないですね。

昨日思いついたのですが
CHRIPとかが
例えばGHS区分で逆引きとかできると
いいですよね

DBが完全公開とかされていれば
何とかなる気はしますが・・・

本件、難しいし、別名とかになると
手に負えないので
深追いしないようにします。
(縦割りの弊害でしょうか)

いずれにしても、勉強になりました。
ありがとうございました。
Re^3: 安衛法と化管法と毒劇法 投稿者:柳川行雄 投稿日:2016/12/06(Tue) 21:35:39 No.30
お役に立てたようでよかったです。

ただ、もしかすると私の表現のせいで誤解を受けられたかもしれないと思いましたので、追記です。

「労働安全衛生法の通知対象物は、毒劇法と化管法のSDSの対象物質を包含してはいません。」

の趣旨は、労働安全衛生法の通知対象物は、毒劇法と化管法の対象物質をすべては包含していないという意味です。毒劇法と化管法のSDSの対象物の大部分は、同時に安衛法の通知対象物にもなっています。この点、誤解があるといけませんので、念のため。

なお、基本的に、安衛法の通知対象物は、①特別規則(特化則、有機則など)の対象物、②過去に重大な災害を発生させているもの、③日本産業衛生学会が許容濃度を勧告しているか、ACGIH(米国の有志の集まり)がTLVを勧告しているものの中から選ばれています。
一方、毒劇法は急性毒性を問題にして選ばれていますし、化管法は有害性のみならず、難分解性も重視して選ばれます。しかし、安衛法は、急性毒性は問題にしていますが、難分解性は問題としていません。

そのため、かなりの物質は重なり合うのですが、どうしても他の法律と重ならない物質もでてきます。

これは、それぞれの法律の目的が違うということが大きな原因だと思います。化学物質の名称も、最近では、各省庁の法令で統一するようにしていますし、GHSについては関係省庁連絡会議という組織もあり、けっこう省庁間の連携は図られていると思います。
Re^4: 安衛法と化管法と毒劇法 投稿者:急ごしらえ 投稿日:2016/12/07(Wed) 09:27:39 No.31
詳しいご説明ありがとうございます。

毒劇法 急性毒性を問題視
化管法 難分解性も重視
安衛法 難分解性は問題としない

まさにこういう説明が分かりやすいです。
(単に私の基礎知識、理解力の不足が問題だとわかりました)
で、大部分は重なるが、完全網羅ではない
ということですね。

ACGIH が有志の集まり!
という(表現?)のも初めて知りました。

このサイトの情報は非常に有用です。
また勉強させて頂きます。

ありがとうございました。




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